セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長がもたらす働き方の変革』白水社
より多く稼ぎ、万人が働き、より良く生活するために! 気候変動やパンデミックの時代の「働き方改革」を唱え、労働の在り方を問う。
coming soon…
ハジュン・チャン『経済学レシピ―食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた』東洋経済新報社
牛肉、ライ麦、チョコレート、にんにく、えび……18の食べ物を巡る知の冒険
ロンドン大学人気教授が書いたまったく新しい入門書
コカ・コーラで「新自由主義政策」、鶏肉で「不平等」、いちごで「オートメーション」……
知っておきたい経済学の知識が身につく!
【推薦の言葉】
「名著だ。チャンは20年にわたり、ネオリベラリズムに代わるものを提供しようと精魂を傾けてきた。今、彼は研究人生の絶頂期を迎えている」――ダン・デイビース(英『ガーディアン』紙)
「チャンは複雑なことをわかりやすく説明するのが、ほんとうにうまい。料理でも、経済学でも、チャンの手にかかると、すこぶるおもしろい話になる」――ビー・ウィルソン(英『サンデー・タイムズ』紙)
「経済学の本を読んで、こんなに笑ったり、よだれが垂れそうになったり、反省させられたりしたのは初めてだ。楽しくて、深くて、食欲をそそる本だ」――ブライアン・イーノ
「素朴なネオリベラル料理だけで政策立案者たちは生きていけるという通念への見事な反駁の書。まさにご馳走のような一冊だ。世界各国の料理にまつわる機知に富んだ話とともに、経済の代案がずらりと並ぶ。ハジュン・チャンは本書によってあらためて、世界でも指折りのエキサイティングな経済学者であることを証明した」――オーウェン・ジョーンズ
- 序章 にんにく 経済学をおいしく味わう「食のあれこれ」
- 第1部 先入観を克服する
- 第1章 どんぐり 文化は経済発展に影響するか
- 第2章 オクラ 資本主義と自由の関係
- 第3章 ココナッツ 貧しさと生産性にまつわる根本的誤解
- 第2部 生産性を高める
- 第4章 片口鰯 高い技術力こそ最強の武器である
- 第5章 えび 幼稚産業保護政策を使いこなせ
- 第6章 麺 起業は個人的な挑戦か
- 第7章 にんじん 「諸刃の剣」特許制度をどうすべきか
- 第3部 世界で成功する
- 第8章 牛肉 「自由貿易」の不都合な真実
- 第9章 バナナ 「バナナ共和国」が意味する暗い現実
- 第10章 コカ・コーラ さらば「新自由主義政策」
- 第4部 ともに生きる
- 第11章 ライ麦 社会保障制度が発展し続ける理由
- 第12章 鶏肉 結果の平等・機会の平等・能力の平等
- 第13章 唐辛子 保育・介護・看護の過小評価の問題
- 第5部 未来について考える
- 第14章 ライム 気候変動の効果的な解決策
- 第15章 スパイス 「株式会社」の長所と副作用
- 第16章 いちご 機械は人間の仕事を奪うのか
- 第17章 チョコレート スイスは世界一の「工業国」という事実
- 結論
森千香子『ブルックリン化する世界―ジェントリフィケーションを問いなおす』東京大学出版会
今世紀初頭から、ニューヨーク・ブルックリンで進められてきたジェントリフィケーション。その過程をふりかえり、メカニズムを分析し、人種や階級、ジェンダーによる「分断」が錯綜する時代に生きる住民たちの生活と闘争、そして「共生」への試みを描き出す。
- 序章 なぜブルックリンに注目するのか――ポスト・コロナ都市の実験室
- I ブルックリンの都市変容と住民コミュニティの再編――ジェントリフィケーションが引き起こす「身体的共存」
1章 現代都市を変える力学――ローカルな都市空間とトランスナショナルな不動産・金融複合体
2章 複数のブルックリンと予期せぬ共存 - Ⅱ 対立の争点としてのジェントリフィケーション
3章 「立ち退き」というパンデミックな感覚
4章 地元で「部外者」になる――その場にいながらの排除
5章 地域の新たなアクターたち――ジェントリファイアー論再考
6章 空間にひもづけられた「差異のるつぼ」――ミクロな差異の可視化と空間的共存の帰結 - Ⅲ ジェントリフィケーションの再解釈と「共生」
7章 反ジェントリフィケーションの多様な実践
8章 人種横断的な共生の実践――再解釈されるジェントリフィケーション
9章 パンデミック時代の共生 - 終章 「分断」を学びほぐす
タンジー・E・ホスキンズ『フット・ワーク―靴が教えるグローバリゼーションの真実』作品社
“足元”から世界を考える
あなたが履いている靴が、どこから来たか知っていますか?
私たちを、どこに連れて行くのかも――
年間242億足も生産されている靴は、かつてないほど安く買えるようになった一方で、生産の過程において、環境にも人間にも極めて深刻な害を及ぼし、世界にとてつもない負荷をもたらしている。本書は「靴」を手がかりに、なぜ世界が今のような危機的状況に陥っているかを解き明かし、解決に向けた提言を行う。巻末には、私たち一人ひとりが今日から取り組める13の行動を示した「世界を変えるためのガイド」を収録。
エマ・ワトソン「究極のブックリスト」に選ばれた話題のジャーナリストによる告発
- 著者による注意書き
- ペーパーバック版まえがき
- 序文 靴とグローバリゼーション
- 第一章 スニーカーマニアの熱狂
- 第二章 工場の門
- 第三章 靴と貧困
- 第四章 ブランド
- 第五章 難民と靴
- 第六章 革の問題
- 第七章 廃棄される靴
- 第八章 ロボットがやってくる
- 第九章 靴と法律
- 第一〇章 反撃
- あとがき フットノート―― 世界を変えるためのガイド
- 謝辞/注/参考文献/訳者あとがき/索引
山本貴光『文学のエコロジー』講談社
文芸作品をコンピュータで動くシミュレーションとしてつくるとしたら、なにをどうすればよいだろうか。作品をゲームクリエーターの目、プログラマーの目で眺める。構造やメカニクスに焦点を当てる技術を駆使し、文学をエコロジーとして見る。作品世界を探検するための地図を持とう。
小説にはなにが書かれて、なにが書かれていないのか。客観的に作品を眺めることで、見えてくる、楽しめる、作品世界とその魅力。
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大島岳『HIVとともに生きる―傷つきとレジリエンスのライフヒストリー研究』青弓社
現在、地球規模で最も深刻な感染症の一つHIV/エイズ。医療の進展とともに服薬を続ければ死に至らず、ほかの人と同じ生活ができるようになった。だがジェンダーやセクシュアリティ、病いや障がいなど交差的な差別や偏見はいまだに根強い。日本で「HIVとともに生きる」ことはいったいどのようなことなのだろうか。
ゲイ男性を中心にHIV陽性者百余人と交流し、22人のライフヒストリーを聴き、かれらが書いた手記などの史資料も読み込み、生活史に深く迫る。当事者と支援者がおこなってきた協働的な実践を掘り起こし、周囲に創造的に関わりながら包摂する力を発見していく。
傷つきとレジリエンス、病いの語り、クィア理論や批判理論など社会学理論から、一人ひとりが苦しみのなかで培ってきた生きる力が、社会とどのように接合し社会を構想できるかを浮き彫りにする。傷ついた生の意味を協働で探り、親密性や共同性を育む「生きるための理論」を探求するラディカルな生活史研究。
- 序 章 性と病い/健康をめぐるフィールドワーク
- 第1章 HIVをめぐる社会学的研究
- 第2章 フィールドとしての個人――ライフヒストリー研究の再帰的/反省的転回
- 第3章 当事者から始まるエイズ・アクティヴィズム――生きるための理論と実践
- 第4章 スティグマとレジリエンスの社会学
- 第5章 混沌を受容できる場/関係性――多声性・異種混交性と共同性・親密性
- 第6章 ラディカル・ライフヒストリー研究に向けて――生きるための理論を紡ぐ/社会を構想する
- 終章 まとめ――本書の意義と貢献
- あとがき
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