ケネス・J・ガーゲン『関係の世界へ―危機に瀕する私たちが生きのびる方法』ナカニシヤ出版
「関係性」がデザインできれば、制御不能なこの世界にも、まだ未来はある。対立を乗り越えるための革新的な取り組みは世界のあちこちですでに始まっている。今だからこそ、社会構成主義のいちばんやさしい入門書。
「存在」ばかり見つめると「憎いあんちくしょう」から動けなくなる。「関係性」をデザインすると「あれ?意外な一面が?」に変容する。人は、関係性という器のかたちに、丸くもなり四角くもなる水のようなものなのかもしれない。
―― 篠原 信『自分の頭で考えて動く部下の育て方』推薦!
- 第1章 関係の世界へようこそ!
- 第2章 関係の流れにのって生きる
- 第3章 関係のプロセスとしての教育
- 第4章 ヘルスケア――因果から協働へ
- 第5章 組織と変化への挑戦
- 第6章 対立、管理、そして関係の世界へ
- おわりに
伊東剛史, 森田直子編『共感の共同体―感情史の世界をひらく』平凡社
21世紀初頭から注目を集め、日本でも話題となっている感情史。日本での感情史研究の最前線を走る研究者らによる、「共感」をテーマとした研究実践の第一歩となる論集。
- 他人の靴を履く
- 1 共同体の感情的紐帯
- 2 汽水域の世界の共感
- 3 共感を再定義する
- 4 戦争が日常化した世界の共感
- 5部 共同体の感情的瓦解と再編
- 共感を歴史する
辻本侑生, 島村恭則編著『クィアの民俗学―LGBTの日常をみつめる』実生社

「奇妙な」「風変わりな」といった意味をもつクィア(Queer)。性的マイノリティたちが、自分たちを指し示す言葉として用いてきた。
民俗学の視点で、LGBTと呼ばれる人びとの日常的な営みを捉える七つの論考集。
- 第一部 民俗学史からクィアを考える
第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生)
第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子) - 第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す
第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央)
第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生)
第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀) - 第三部 クィア民俗学の展開
第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生)
第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平)
リア・グリーンフェルド『ナショナリズム入門』慶應義塾大学出版会
「ネーション」とは何か
ナショナリズムの誕生からグローバル化まで、その本質に迫る。
既存の「ナショナリズム」研究に、決定的に欠けていた「ネーション」概念の詳細な起源とその政治、経済、文化、精神への影響を論じる。ナショナリズム研究の泰斗が長年にわたる研究をコンパクトに解説した入門書。
- 日本語版への序文
- まえがき
- 第1章 序論――ナショナリズムとモダニティ
- 第2章 ナショナリズムはどこから来たのか?
- 第3章 政治イデオロギー化するナショナリズム
- 第4章 ナショナリズムと近代経済
- 第5章 ナショナリズムと近代のパッション
- 第6章 結論――ナショナリズムのグローバリゼーション
谷島貫太, 松本健太郎編著『メディア・リミックス―デジタル文化の〈いま〉を解きほぐす』ミネルヴァ書房
本書では、デジタル技術が飛躍的に進歩した90年代以降に生じた大きな変動を一つの境目とみなし、デジタル文化をめぐっての〈ビフォー〉と〈アフター〉のコントラストに着目。その上で、いつ、どこで、どの領域でメディアをめぐるミクスチャーが成立し、それがリミックスされ、〈ビフォー〉と〈アフター〉を生成したのか。そのプロセスを追うことで、いま私たちの目前で起きているデジタル文化の変容を立体的に浮かび上がらせる。
- 序 論 デジタル文化をめぐるビフォー/アフター(谷島貫太)
- 第Ⅰ部 「メディア」と「コンテンツ」のメディア・リミックス
第1章 アテンションのリミックス――なぜYouTuberはコラボするのか(谷島貫太)
第2章 放送のリミックス――その「結び目」の緩みと「時間」(水島久光)
第3章 アイドルと生イベントのリミックス――リアル化するメディア環境とももいろクローバーZ(西 兼志)
第4章 笑いのリミックス――コンプライアンス社会と「痛みを伴う笑い」(塙 幸枝)
第5章 映像のリミックス――映画から配信へのメディア史(近藤和都)
第6章 マーケティングのリミックス――映画広告のビフォー/アフター(大塚泰造)
第7章 ブックデザインのリミックス――DTPによる「民主化」と,失われたもの(阿部卓也)
第8章 デジタルメディアと趣味のリミックス――ゲーム機の「改造」から(松井広志)
第9章 「ゲーム化する世界」のリミックス――デジタル空間における虚実のカップリングとその変容(松本健太郎) - 第Ⅱ部 「社会」と「経済」のメディア・リミックス
第10章 共有のリミックス――シェアリングエコノミーがつくる「接続」と「切断」(石野隆美)
第11章 アジアにおける広告のリミックス――テレビ広告におけるジェンダー役割の変容(ポンサピタックサンティ ピヤ)
第12章 観光のリミックス――情動の産業化(遠藤英樹)
第13章 テーマパークのリミックス――カスタマイズされるディズニーランドとゲストたち(新井克弥)
第14章 おみやげと旅行写真のリミックス――観光経験の記録と共有をめぐるモノとパフォーマンスの再編(鈴木涼太郎)
第15章 歴史好きのリミックス――日本におけるパブリックヒストリー(福島幸宏)
第16章 歴史と物語のリミックス――コンテンツツーリズムにおける歴史のフィクション化を題材に(増淵敏之)
第17章 コンテンツ文化のリミックス――「ゲーム実況/VTuber/聖地巡礼」を研究する視点とその変容(岡本 健)
第18章 エスノグラフィのリミックス――スマホ時代の人類学とアフター・コロナ時代の人類学(藤野陽平) - 人名索引
- 事項索引
三輪眞弘, 岡田暁生監『配信芸術論』アルテスパブリッシング

ライブとは何か。
ネットで音楽を聴くとき、われわれは何を体験しているのか──。
メタバース時代の音楽をラディカルに問う!
2020年9月19日深夜、
無観客、アーカイヴなしのオンライン配信で開催され、
コロナ下最大の音楽的事件となった
「三輪眞弘祭」(サントリー音楽賞、佐治敬三賞をダブル受賞)を起点に、
哲学、バイオアート、科学技術史、メディア論、音楽学の専門家が結集し、
これからの音楽実践のありかたをラディカルに問いなおし、定義する。
メタバース時代の音楽の可能性はここにある!
- はじめに
岡田暁生|音楽聴のシンギュラリティ2020?
伊東信宏|すべてはここからはじまった 19 September 2020 (Sat), 22:00 open, 23:00 start, 26:00 end ── 一聴取者によるイベント・レポート - I ライブと「そこにいない誰( 何)か」
山﨑与次兵衛|二分心崩壊以後/シンギュラリティ以前の展望からみたライブの可能性
編集会議バックヤードより
岩崎秀雄|音楽はどこまで「生きている」のか──「音楽≒生命」メタファーから「音楽≒ウイルス」メタファーへ
編者独白 - II 配信芸術の考古学
編者口上
瀬戸口明久|機械化時代における音楽・科学・人間──兼常清佐のピアノの実験
編者口上
松井 茂|中継芸術の系譜──テレビジョンをめぐる配信芸術前史 - III 「立ち会うこと」と配信芸術──映像作家 前田真二郎氏を囲んで
- IV 〈いま-ここ〉の存在論と亡霊
編者口上
佐近田展康|「亡霊機械」と〈いま-ここ〉の生成
編集会議バックヤードより
編者独白
佐藤淳二|〈仮死〉と〈亡霊〉の配信──三つの神学の彼方へ
編者独白
おわりに
三輪眞弘|配信芸術、あるいは「録楽」の未来
付録|サラマンカ宣言──ぎふ未来音楽展2020 三輪眞弘祭 ─清められた夜─
MUSICA CRAS GIFU 2020 Masahiro Miwa Festival ― Purified Night ―
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