参考文献紹介

『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』の参考文献

 
参考文献紹介
Information
著者熊代亨
発行イースト・プレス
発売日2020/06/20

現代人が課せられる「まともな人間の条件」の背後にあるもの。

生活を快適にし、高度に発展した都市を成り立たせ、
前時代の不自由から解放した社会通念は、同時に私たちを疎外しつつある。
メンタルヘルス・健康・少子化・清潔・空間設計・コミュニケーションを軸に、
令和時代ならではの「生きづらさ」を読み解く。

社会の進歩により当然のものとなった通念は私たちに「自由」を与えた一方で、
個人の認識や行動を紋切型にはめこみ、「束縛」をもたらしているのではないだろうか。
あらゆる領域における資本主義・個人主義・社会契約思想の浸透とともにうつろう秩序の軌跡と、私たちの背負う課題を描き出す。

かつてないほど清潔で、健康で、不道徳の少ない秩序が実現したなかで、
その清潔や健康や道徳に私たちは囚われるようにもなった。
昭和時代の人々が気にも留めなかったことにまで私たちは神経をつかうようになり、
羞恥心や罪悪感、劣等感を覚えるようにもなっている。
そうした結果、私たちはより敏感に、より不安に、より不寛容になってしまったのではないだろうか?
清潔で、健康で、安心できる街並みを実現させると同時に、
そうした秩序にふさわしくない振る舞いや人物に眉をひそめ、
厳しい視線を向けるようになったのが私たちのもうひとつの側面ではなかったか?

  • 第一章 快適な社会の新たな不自由
  • 第二章 「こころ」の癒しから「行動」のマネジメントへ
  • 第三章 健康という”普遍的価値”
  • 第四章 子育てと少子化
  • 第五章 秩序としての清潔
  • 第六章 アーキテクチャとコミュニケーション
  • 第七章 資本主義、個人主義、社会契約

この記事では『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』の参考文献・関連書籍についてご紹介します。

第一章 快適な社会の新たな不自由

ロバート・D・パットナム(2006)『孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生』柏書房
著:ロバート・D. パットナム, 原名:Putnam,Robert D., 翻訳:康文, 柴内
大竹文雄(2019)『行動経済学の使い方』岩波書店

第二章 「こころ」の癒しから「行動」のマネジメントへ

斎藤環(2009)『心理学化する社会 癒したいのは「トラウマ」か「脳」か』河出書房新社
ピーター・コンラッド, ジョゼフ・W・シュナイダー(2003)『逸脱と医療化―悪から病いへ』ミネルヴァ書房
著:コンラッド,ピーター, 著:シュナイダー,ジョゼフ・W., 原名:Conrad,Peter, 原名:Schneider,Joseph W., 翻訳:雄三, 進藤, 翻訳:正英, 近藤, 翻訳:聡, 杉田
精神科治療学増刊(2014)『精神科治療学 Vol.29増刊号 2014年 10月〈特集〉発達障害ベストプラクティス ‐子どもから大人まで‐』
ADHDの診断・治療指針に関する研究会(2022)『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第5版』じほう
宮尾益知, 滝口のぞみ(2016)『夫がアスペルガーと思ったとき妻が読む本』河出書房新社
アーネスト・S・ウルフ(2016)『新装版 自己心理学入門―コフート理論の実践』金剛出版
著:アーネスト・S・ウルフ, 翻訳:安村 直己, 翻訳:角田 豊
中西信男(1991)『コフートの心理療法―自己心理学的精神分析の理論と技法』ナカニシヤ出版
デイヴィッド・リースマン(2013)『孤独な群衆 上』みすず書房
著:デイヴィッド・リースマン, 翻訳:加藤 秀俊
三浦展(1995)『「家族と郊外」の社会学―「第四山の手」型ライフスタイルの研究』PHP研究所
丸田俊彦(1992)『コフート理論とその周辺―自己心理学をめぐって』岩崎学術出版社
ハインツ・コフート(1994)『自己の分析』みすず書房
著:ハインツ・コフート, 翻訳:水野 信義(監訳), 翻訳:笠原 嘉(監訳)
ハインツ・コフート(1995)『自己の修復』みすず書房
著:ハインツ・コフート, 翻訳:本城 秀次(監訳), 翻訳:笠原 嘉(監訳)
ハインツ・コフート(1995)『自己の治癒』みすず書房
著:ハインツ・コフート, 写真:笠原 嘉(監訳), 翻訳:本城 秀次(監訳), 翻訳:笠原 嘉(監訳)
和田秀樹 (2002)『「自己愛」と「依存」の精神分析―コフート心理学入門』PHP研究所
和田秀樹 (2002)『壊れた心をどう治すか―コフート心理学入門〈2〉』PHP研究所
スーザン・フォワード(2021)『毒になる親 完全版』毎日新聞出版
著:スーザン・フォワード, 翻訳:玉置悟
斎藤学(2015)『「毒親」の子どもたちへ』メタモル出版
ウェンディ・ブラウン(2017)『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』みすず書房
東畑開人(2015)『野の医者は笑う: 心の治療とは何か?』誠信書房
牧野智和(2015)『日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ』勁草書房
平井秀幸(2015)『刑務所処遇の社会学』世織書房