新刊紹介

新刊紹介_20241004

 
新刊紹介

武邑光裕『Outlying―僻遠の文化史』rn press

概要

武邑光裕は世界のフロントランナーであった時代の日本を、
文化の基盤から構築したオルタナティヴ・カルチュア・グルである!!!!!
トランスメディア、生成AI批評、クリプトアナーキー、
ヒッピー資本主義、自立革命、デジタルノマド……
そして世紀を跨いだ現在もテクノロジーと文化の尖端を説き続ける。
そう、私は今も武邑尊師の教えを実践し、信仰し続けている!!!!! 
ーーーーー宇川直宏(DOMMUNE)

「本書は、私の自叙伝であると同時に、人生の最終段階においてのみ語ることが許される『秘密』やプライバシーの開示でもある。ーー武邑光裕(「Outlying」序章より)

インターネットのない時代、「ゾーン」に導かれるまま世界中を駆けめぐり、いつでも時代の“外側”から文化を創ってきた。マンハッタンに廃墟の住処がなくなろうとする80年代後半のNY、90年代以降のサンフランシスコ、京都、東京、札幌、ベルリン。40年以上に及ぶ、人と文化をめぐる旅の記憶。武邑光裕が歩んできた道を辿ることは、未来の文化につながる。

<特別付録:投げ込み24P小冊子>
宇川直宏(DOMMUNE)×若林恵(黒鳥社)対談
「サイケデリックの行方」

<キーワード>
マッドクラブ,スティーブ・マス,パラダイス・ガラージュ,オカルティズム,G.I.グルジェフ,アレイスター・クロウリー,アレクサンダー・シュルギン,ウィリアム・S・バロウズ,ジョン・ウォーターズ,ティモシー・リアリー,ナムジュン・パイク,ヨーゼフ・ボイス,テクノ・リアリズム,GOLD,ECCO NIGHT,サイキックTV,ZEV,坂本龍一,VR,メタバース,ヒッピーカルチャー,ウンベルト・エーコ,マーシャル・マクルーハン,カオス・コンピュータ・クラブ,ベルクハイン,人工知能,ポスト・ヒューマニズムVSトランス・ヒューマニズム

目次

coming soon…

ブレイディみかこ『地べたから考える―世界はそこだけじゃないから』筑摩書房

概要

日常にひそむ社会の問題を、自らのことばで表現し続けるブレイディみかこのエッセイ・アンソロジー。若い人たちに向けて、地べたからの視線の強さと深さを味わう15篇を精選した。今、あなたの足元にはどんな問いが立っている?

最近よく「問いを立てる力をつけよう」という言葉を耳にする。が、そもそも問いって立てるものなのだろうか。(……)

問いを持つということは、それについて自分で調べたくなり、知りたくなることだ。本気で探求したくなる問いは、誰かに言われて無理やり立てたものじゃない。むしろ、あなたがいま本当に関心を持っているもの、つまり、もうあなたの足元に立っている問いだろう。それは、「どうしてルックスのいい子だけがちやほやされるのだろう」かもしれないし、「わたしの親はこんなに必死で働いているのに、なぜわが家にはお金がないのだろう」かもしれない。

本気で前者の問いを探求し始めたら、「ルッキズム」という言葉があることを知ったり、世界各地で美の基準は異なることがわかって、偏見や人種問題について考え始めるかもしれない。後者のほうの問いはあなたを経済格差という言葉に導き、資本主義の問題点について考え始めるかもしれない。

このような問いと探求は、国語の試験や大学入試の小論文でいい点数を取ったり、大人を喜ばせたり、誰かを感心させたりするために必要なのではない。そうではなく、あなた自身がこれから生きていくために必要なのだ。(……)

生きるための問いは立てるものではなく、立ってくるものであり、すでに立っているもののことだ。
この本に収められたエッセイで、わたしはその時々に自分の足元に立っていた問いについて書いてきたつもりだ。
さて、あなたの足元にはどんな問いが立ってくる(あるいは、立っている)だろう。(本文より)

目次
  • Scene1 子どもの情景
  • Scene2 地べたからみた社会
  • Scene3 英国という鏡
  • Scene4 地べたから見た世界
  • Scene5 他者の靴を履いてみること

荻上チキ編著『選挙との対話』青弓社

概要

「あなたにとって選挙とは?」
「政治参加の手段?」「民主主義の根幹?」、
それとも「行っても/行かなくても変わらないもの……?」

近年、国内外を問わず、選挙のあり方そのものが問われる事態が相次いで起こっている。こうした状況のなかで、選挙に関して「科学的に」わかっていることはなんなのか。またそれを知ることは、私たちの生活にどのように関係してくるのだろうか。

2009年以降、自民党の勝利が続く日本の国政選挙について、政治学やデータ分析の専門家たちはどのように見ているのか。国際的にみて女性の社会進出が遅れているといわれている日本の現状は? またそれを取り巻くメディアの状況は? そして、若い世代が感じている日本の選挙のリアルとは?

科学的な分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。

目次
  • まえがき 荻上チキ
  • 第1章 なぜ自民党は強いのか?――政治に不満をもつのに与党に投票する有権者 飯田 健
  • 第2章 選挙制度は日本の政治にどう影響しているのか?――自民党一党優位の背景を説明する 菅原 琢
  • 第3章 なぜ野党は勝てないのか?――感情温度や政党間イメージについて 秦 正樹
  • 第4章 なぜ女性政治家は少ないのか?――政治とジェンダー、政治家のメディア表象について 田中東子
  • 第5章 政治家にとって対話とは何か?――杉並区長・岸本聡子インタビュー 岸本聡子(聞き手:永井玲衣/荻上チキ)
  • 第6章 私たちはどうやって投票先を決めているのか?――日本の有権者についてわかっていること、データからわかること 大村華子
  • 第7章 私たちにとって選挙とは何か?――選挙をめぐる哲学対話 永井玲衣/荻上チキ
  • あとがき 荻上チキ

山下慎一『社会保障のどこが問題か―「勤労の義務」という呪縛』筑摩書房

概要

病気やケガをしたとき、出産や育児、そして介護が必要になったときの生活を保障する社会保険。働けなくなったときや老後の生活を支える年金制度。毎月の給料から天引きされているものの、いざというとき自分がどの給付を受けられるのかわかりにくく、申請するのもどこか後ろめたい。日本の社会保障はなぜこんなにも使いづらいのか。複雑に分立した制度の歴史から、この国の根底に渦巻く「働かざる者食うべからず」の精神を問い、誰もが等しく保障される社会のしくみを考える。

目次
  • はじめに
  • 第一章 なぜ働き方によって社会保障が違うのか――労働者と自営業者
  • 第二章 なぜ働き方で分立しているのか――四つの社会保険
  • 第三章 なぜ使いにくいのか――社会保障と情報提供義務
  • 第四章 生活保護のうしろめたさ――社会保障と「勤労の義務」
  • 中間のまとめ 「勤労の義務」という呪縛
  • 第五章 「勤労の義務」の意味―日本国憲法制定時の議論を読む
  • 第六章 働くことと社会保障を切り離す
  • 終章 新しい社会保障のために
  • ブックガイド/あとがき/参考文献

金菱清『フィールドワークってなんだろう』筑摩書房

概要

自分の半径五メートルから飛び出し、はじめて目にするに世界に飛び込んでみよう。考え方がひっくり返り、社会の見え方が変わるはず。じっくりしっかり話を聞くコツもわかります。

目次
  • 第1章 ユニークな研究――キャラを立てるには
  • 第2章 一つの例から全体を問いなおす―ブラックスワンを探せ!
  • 第3章 図と地の反転――幽霊と死者に聞く
  • 第4章 なぜ少数を扱うのか――俯瞰する観察眼
  • 第5章 自分のよって立つ足場を壊す――時間と空間を歪ます
  • 第6章 探究する感覚を磨く――自分への再教育
  • 第7章 弱い人の声に耳をすます――世界の開き方
  • 第8章 心地よい社会からの脱出――二重の世界を生きる

高橋幸, 永田夏来編『恋愛社会学―多様化する親密な関係に接近する』ナカニシヤ出版

概要

恋愛に巻き込まれているあなたにも、恋愛に疑問があるあなたにも、恋愛そのものに関心がないあなたにも――

晩婚と生涯独身者が増加しつつも、多くの人々が生涯にわたり様々な形で関わることになる「恋愛」。
それは現代日本でどのように変化しつつあるのか。
歴史的記述や量的・質的調査、そして多様な事例から、結婚や性だけには還元できない親密な関係を読み解く、ポスト恋愛至上主義の時代に迫る必携入門書!

「恋愛社会学は始まったばかりであり、本書は「さしあたりの決定版」に過ぎません。読み進めるうちに、自分なりの意見や新たな視点が自然と湧き出てくることでしょう。恋愛に関する社会学的な議論がここから発展的に展開され、いろいろな交流や研究が生まれることを願っています。この本がインスピレーションの源泉となり、読者自身の学びや研究、そして日常生活における恋愛を再考するきっかけになることが、編者にとって最大の喜びです。」
(「本書のねらいと構成」より)

目次
  • はじめに
  • 本書のねらいと構成
  • Ⅰ 社会制度としての恋愛と結婚 
    01 近代社会における恋愛の社会的機能(高橋 幸)
    02 日本の家族社会学はいかに「出会いと結婚」を扱ってきたか(永田夏来)
    03 恋愛・結婚における親の影響──被差別部落の事例から(齋藤直子)
    Column1 明治から第二次世界大戦前までの「恋愛」の系譜──恋愛の歴史社会学的研究の知見から(岡田玖美子)
  • Ⅱ 実証研究からみる若者の恋愛と結婚
    04 1980 年代の「恋愛至上主義」──『non-no』と『POPEYE』の言説分析を通して(木村絵里子)
    05 若者の恋愛の優先順位──質問紙調査の結果から(大倉 韻)
    06 リスク社会における恋愛と結婚──首都圏在住の未婚男性たちへのインタビューとフォーカス・グループ・ディスカッションによる調査から(大森美佐)
    07 恋愛は結婚において「必要」か、「オプション」か──首都圏と中国都市部の未婚女性たちへのインタビュー調査から(府中明子)
    Column2 ロマンティックラブ・イデオロギーという和製英語(高橋 幸)
  • Ⅲ 現代の「恋愛」の諸相とその多様性
    08 「異同探し」の誘惑を飼い慣らす──男性同性愛者の恋愛をめぐって(森山至貴)
    Column3 クワロマンティックという生き方の実践──缶乃『合格のための! やさしい三角関係入門』から考える(中村香住)
    09 片思いと加害の境界を探る──交際経験の乏しい異性愛男性の関係構築に着目して(西井 開)
    10 アイドルに対する恋愛感情を断罪するのは誰か──「ガチ恋」の苦悩に向き合う(上岡磨奈)
    Column4 描かれる「ガチ恋」──フィクション作品が提示する苦悩と葛藤(上岡磨奈)
    11 2 次元キャラクターへの恋愛──フィクトセクシュアル/フィクトロマンティックと対人性愛中心主義(松浦 優)
    Column5 アロマンティックやアセクシュアルから考える「恋愛」(三宅大二郎)
    12 ジェンダー平等な恋愛に向けて──異性愛主義的な性別役割を批判する(高橋 幸)
    Column6 脳神経科学と認知的アプローチの発展からアフェクティブターンへ──アフェクティブターンにおける恋愛社会学の重要性①(高橋 幸)
    Column7 アフェクティブターン(情動的転回)とは?──アフェクティブターンにおける恋愛社会学の重要性②(高橋 幸)
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