参考文献紹介

『資本主義だけ残った―世界を制するシステムの未来』の参考文献

 
参考文献紹介
Information
著者ブランコ・ミラノヴィッチ
訳者西川美樹
発行みすず書房
発売日2021/06/16

「理論、データ、歴史、批判的思考――社会科学の頂点のひとつがここにある。格差は誰かのせいでも、ましてや自分のせいでもない。それは資本主義のシステムにあるのだ」
吉田徹(同志社大学教授)

『エコノミスト』誌ベストブック
『フィナンシャルタイムズ』紙ベストブック
『フォーリン・アフェアーズ』誌ベストブック
『プロマーケット』誌ベストブック
『プロスペクト』誌ベストブック


「われわれの未来についての、重要な問題をすべて提示している」ゴードン・ブラウン(元英首相)
「経済統計の第一人者[による]豊かな議論だ」ジェームズ・K・ガルブレイス(テキサス大学オースティン校教授)
「北京に住むのか、ニューヨークに住むのか、決断のときは近づいている」エドワード・ルース(『フィナンシャル・タイムズ』紙)
「この二つの資本主義が世界情勢を支配している。両者の共進化が今後数十年の歴史を形成することになるだろう」『エコノミスト』誌
「データの収集、評価において、類まれな最高の経済学者だ」ロバート・カトナー(『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』誌)
「現存する(おそらく)唯一の社会経済システムへの理解を刷新しようとする、あらゆる読者、研究者にお薦めする」ロバート・ラコノ(LSEレビュー・オブ・ブックス)

二つの資本主義が世界を覆っている。米国に代表されるリベラル能力資本主義と、中国に代表される政治的資本主義だ。この両者がはらむ、不平等の拡大と腐敗の進行という病弊の根本原因を喝破し、欧米の社会科学界を震撼させたベストセラー。

  • 1 冷戦後の世界のかたち
    1 資本主義はただひとつの社会経済システムである
    2 アジアの台頭と世界の再均衡化
  • 2 リベラル能力資本主義
    1 リベラル能力資本主義の特徴
    2 システム的な不平等
    3 新たな社会政策
  • 3 政治的資本主義
    1 共産主義の歴史的位置づけ
    2 第三世界(の一部)が資本主義化するために、なぜ共産主義革命が必要とされたのか
    3 政治的資本主義のおもな特徴
    4 中国の不平等についての考察
    5 政治的資本主義の持続性とグローバルな魅力
  • 4 資本主義とグローバリゼーションの相互作用
    1 労働と移民
    2 資本とグローバル・バリューチェーン
    3 福祉国家——生き残るために
    4 世界に広がる腐敗
  • 5 グローバル資本主義の未来
    1 超商業化資本主義では道徳観念の欠如が避けられない
    2 原子化と商品化
    3 技術進歩に対する根拠のない不安
    4 豪奢で快楽に満ち(ルュクス・エ・ヴォリュプテ)
  • 付録A グローバルな歴史における共産主義の位置づけ
  • 付録B 超商業化とアダム・スミスの「見えざる手」
  • 付録C 方法論的問題と定義
  • 謝辞
  • 解説 資本主義は不平等と腐敗を克服できるか  梶谷懐
  • 索引/原注/参考文献

この記事では『資本主義だけ残った―世界を制するシステムの未来』の参考文献・関連書籍についてご紹介します。

参考文献一覧 Part.1

ダロン・アセモグル, ジェイムズ・A・ロビンソン(2016)『国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源』早川書房
著:ダロン・アセモグル, 著:ジェイムズ・A・ロビンソン, 著:鬼澤 忍
R・C・アレン(2017)『世界史のなかの産業革命―資源・人的資本・グローバル経済』名古屋大学出版会
著:R・C・アレン, 翻訳:眞嶋 史叙, 翻訳:中野 忠, 翻訳:安元 稔, 翻訳:湯沢 威
アリストテレス(2001)『政治学』京都大学学術出版会
著:アリストテレス, 翻訳:牛田 徳子
ジョヴァンニ・アリギ(2011)『北京のアダム・スミス―21世紀の諸系譜』作品社
著:ジョヴァンニ・アリギ, 監訳:中山 智香子, 解説:山下 範久
アンソニー・B・アトキンソン(2015)『21世紀の不平等』東洋経済新報社
著:アンソニー・B・アトキンソン, 翻訳:山形 浩生, 翻訳:森本 正史
リチャード・ボールドウィン(2018)『世界経済大いなる収斂: ITがもたらす新次元のグローバリゼーション』日経BPマーケティング
著:リチャード ボールドウィン, 翻訳:遠藤 真美
S・ボウルズ, H・ギンタス(1986)『アメリカ資本主義と学校教育―教育改革と経済制度の矛盾〈1〉』岩波書店
フェルナン・ブローデル(1999)『世界時間〈2〉物質文明・経済・資本主義 15‐18世紀(3‐2)』みすず書房
著:フェルナン ブローデル, 原名:Braudel,Fernand, 翻訳:光彦, 村上
ルトガー・ブレグマン(2017)『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』
ジェイムズ・クラブツリー(2020)『ビリオネア・インド:大富豪が支配する社会の光と影』白水社

参考文献一覧 Part.2

フランシス・フクヤマ(2020)『新版 歴史の終わり〔上〕: 歴史の「終点」に立つ最後の人間』三笠書房
フランシス・フクヤマ(2013)『政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで』講談社
ジャック・ジェルネ(1990)『中国近世の百万都市―モンゴル襲来前夜の杭州』平凡社
著:ジャック ジェルネ, 翻訳:一男, 栗本
ブルック・ハリントン(2018)『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番――世界トップ1%の資産防衛』みすず書房
アルバート・O・ハーシュマン(1985)『情念の政治経済学』法政大学出版局
著:アルバート O.ハーシュマン, 翻訳:佐々木 毅, 翻訳:旦 祐介
ホブスン(1951)『帝国主義論〈上巻〉』岩波書店
著:ホブスン, 翻訳:矢内原 忠雄
マーティン・ジェイクス(2014)『中国が世界をリードするとき・上:西洋世界の終焉と新たなグローバル秩序の始まり』NTT出版
ジョン・メイナード・ケインズ(2021)『平和の経済的帰結』イカリング
著:ジョン・メイナード・ケインズ, 翻訳:山形 浩生, 解説:山形 浩生
ジョン・メイナード・ケインズ(2021)『ケインズ 説得論集』日本経済新聞出版
著:ジョン・メイナード・ケインズ, 翻訳:山岡 洋一
ヘンリー・A・キッシンジャー(2021)『キッシンジャー回想録 中国 ((上))』岩波書店
著:ヘンリー・A.キッシンジャー, 翻訳:塚越 敏彦, 翻訳:松下 文男, 翻訳:横山 司, 翻訳:岩瀬 彰, 翻訳:中川 潔