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著者 | 三原芳秋, 渡邊英理, 鵜戸聡編 |
発行 | フィルムアート社 |
発売日 | 2020/03/25 |
本書では文学理論の基礎的な知識を解説しつつ、最新の文学理論の潮流を初学者にも分かりやすく解説しています。
第1部「基礎講義編 ― 文学理論のエッセンス Fundamentals」では、文学理論の根本問題である「テクスト/読む/言葉/欲望/世界」の5つのテーマについて論じ、第2部「トピック編 ― 文学理論の現在(いま)を考えるために Topics」では、文学理論の現在進行形の諸問題についてのトピックを取り上げ、新たな思索の糸口を発見=発明することを目指しています。
文学好きの読者には「もっと深く読む」ために必要な知識を得るための本として、学生や研究者には、レポートや論文を執筆する際の手引きとして有用な一冊。
- はじめに
- 第1部 基礎講義編 ― 文学理論のエッセンス Fundamentals
- 第1章 テクスト 郷原佳以
フィクション論
テクスト的現実
エクリチュール
脱構築
ディスクール/イストワール
言語行為論
言語の非人称性
◎もっと〈テクスト〉について知るための10冊 - 第2章 読む 三原芳秋
懐疑の解釈学
対位法的読解
徴候的読解
表層的読解
妄想的読解と修復的読解
◎もっと〈読む〉ことについて知るための10冊 - 第3章 言葉 渡邊英理
翻訳
マイナー文学、少数派(マイナー)的な政治/多数派(メジャー)的な政治
ポリフォニー・聞き書き
表象
脱植民地化と脱冷戦・グローバル化
◎もっと〈言葉〉について知るための10 冊 - 第4章 欲望 新田啓子
同性愛とクィア
ミソジニーと家父長制度
フェミニズム文学批評
奴隷制廃止論
性欲望・性愛・性幻想
◎ もっと〈欲望〉について知るための10冊 - 第5章 世界 鵜戸聡
近代文学・エートス・エグゾティスム 国語・オラリティ
検閲・流通
パラテクスト
世界・世界観・世界文学
◎ もっと〈世界〉について知るための10冊 - 第2部 トピック編 ― 文学理論の現在(いま)を考えるために Topics
- 第6章 帝国/ネーション/グローバル化と文学 橋本智弘
ネグリチュード
植民地解放理論
オリエンタリズム
サバルタン
擬態(ミミクリー)と雑種性/異種混淆性(ハイブリディティ)
19世紀のナショナリズム論
現代のナショナリズム論
ポスト・ナショナリズム
世界文学論(19世紀-)
世界文学論(現代)
ポストコロニアル・エコクリティシズム - 第7章 ポストヒューマン/ニズムと文学 井沼香保里
アンチヒューマニズム
動物論
生成
アクター・ネットワーク論
日本における存在論的転回
オブジェクト指向存在論
思弁的唯物論/実在論
自然と文化
サイボーグ - 第8章 環境と文学 磯部理美
人新世/環境人文学
エコクリティシズム/環境批評
動物と人間/(脱)人間中心主義
ネイチャーライティング
空間(スペース)と場所(プレイス)/場所の感覚
パストラル/ロマン主義/都市と田園
ディープ・エコロジー/ 生態(生命)地球主義(バイオリージョナリズム)
土地倫理(ランド・エシック)
ユートピア/ディストピア/エコトピア
エコフェミニズム
進化論/ダーウィニズム
原爆文学/核文学
震災と文学 - 第9章 精神分析と文学 森田和磨
ジグムント・フロイトの思想
ジャック・ラカンの思想
精神分析と文学批評
シュルレアリスム
フロイト理論とマルクス主義
ラカン理論とマルクス主義
前エディプス期
精神分析とフェミニズム
トラウマ理論
精神分析と日本人論 - 第10章 ジェンダー・セクシュアリティと文学
フェミニズム運動と文学への影響
ポスト構造主義とジェンダー系批評理論の黎明
ブラック・フェミニズムと黒人文学の軌跡
フランス系フェミニズムと現代女性文学の展開
ポストコロニアル・フェミニズムと文学理論の再構築
クィア批評(1)イヴ・K・セジウィック
クィア批評(2)ジュディス・バトラー - 世界の文学(裏) 道案内 鵜戸聡
- Book Guide ― 文学理論の入門書ガイド 渡邊英理
- おわりにかえて
- 人名索引・事項索引
この記事では『クリティカル・ワード 文学理論―読み方を学び文学と出会いなおす』の参考文献・関連書籍についてご紹介します。
第1章 テクスト
ロラン・バルト(1977)『テクストの快楽』みすず書房
ロラン・バルト(1979)『物語の構造分析』みすず書房
ロラン・バルト(1987)『言語のざわめき』みすず書房
ジャック・デリダ(2013)『散種』法政大学出版局
モーリス・ブランショ(2013)『カフカからカフカへ』書肆心水
J・L・オースティン(2019)『言語と行為 いかにして言葉でものごとを行うか』講談社
エミール・バンヴェニスト(2022)『一般言語学の諸問題【新装版】』みすず書房
著:エミール・バンヴェニスト, 監修:岸本通夫, 翻訳:河村正夫, 翻訳:木下光一, 翻訳:高塚洋太郎, 翻訳:花輪光, 翻訳:矢島猷三
蓮實重彦(2018)『物語批判序説』講談社
蓮實重彦(2006)『表象の奈落―フィクションと思考の動体視力』青土社
蓮實重彦(2014)『「ボヴァリー夫人」論』筑摩書房
ピエール・バイヤール(2016)『読んでいない本について堂々と語る方法』筑摩書房
第2章 読む
西郷信綱(1995)『古典の影―学問の危機について』平凡社
前田愛(2001)『近代読者の成立』岩波書店
ポール・リクール(2005)『フロイトを読む―解釈学試論』新曜社
ルイ・アルチュセール, ピエール・マシュレー, ジャック・ランシエール(1996)『資本論を読む〈上〉』筑摩書房
著:アルチュセール,ルイ, 著:マシュレー,ピエール, 著:ランシエール,ジャック, 原名:Althusser,Louis, 原名:Macherey,Pierre, 原名:Ranci`ere,Jaques, 翻訳:仁司, 今村
ポール・ド・マン(2022)『読むことのアレゴリー』講談社
バーバラ・ジョンソン(1990)『差異の世界―脱構築・ディスクール・女性』紀伊國屋書店
著:バーバラ・ジョンソン, 原名:Barbara Johnson, 翻訳:大橋 洋一, 翻訳:青山 恵子, 翻訳:利根川 真紀
エドワード・W・サイード(1998)『文化と帝国主義』みすず書房
フレドリック・ジェイムソン(1989)『政治的無意識―社会的象徴行為としての物語』平凡社
著:フレドリック ジェイムソン, 原名:Fredric Jameson, 翻訳:大橋 洋一, 翻訳:木村 茂雄, 翻訳:太田 耕人
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