阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』光文社
人文学の論文執筆には、基礎となる習得必須の知識と技術がある。しかし、それを現在の大学教育はうまくカリキュラム化できていない。どんな条件を満たせば論文は成立したことになるのか、どの段階でどの程度の達成が要求されるのか、そしてそのためにはどのようなトレーニングが必要なのか。そもそも、なんのために人文学の論文は書かれるのか。期末レポートからトップジャーナルまで、「独学で書く」ためのすべてを網羅する。
- 【原理編】
第1章 アーギュメントをつくる
第2章 アカデミックな価値をつくる
第3章 パラグラフをつくる - 【実践編】
第4章 パラグラフを解析する
第5章 長いパラグラフをつくる
第6章 先行研究を引用する
コラム 通読と書評について
第7章 イントロダクションにすべてを書く
第8章 結論する - 【発展編】
第9章 研究と世界をつなぐ
第10章 研究と人生をつなぐ - 【演習編】
- あとがき
赤田祐一, 関根美有『ヒッピーの教科書』エディトリアル・デパートメント
2019年に刊行した『スペクテイター』44号所収のまんが記事「ヒッピーの歴史」が、ハードカバー仕様の単行本になりました。
1960年代にアメリカ社会を揺さぶったヒッピー・ムーヴメントのはじまりから現代への影響までを「学習まんが形式」で、わかりやすく解説。MAP・用語解説・文献ガイドなどの書きおろし記事を加えて再編集した永久保存版です!
- ヒッピーとは何者か?
- ビート・ジェネレーション 1945-1962
- ヒッピーの誕生 1963-1969
- ヒッピーの影響 1970-1973
- ヒッピーの現在 1974-2024
- 〈書きおろし〉
- ヒッピーに影響を与えた先駆者たち
- サンフランシスコできごとMAP
- ヒッピー用語解説 人物名鑑
- 必読文献ガイド
近藤和敬, 檜垣立哉『21世紀の自然哲学へ』人文書院
元素、大気、大地、菌類から人間までをも貫く哲学は可能か
惑星規模の気候変動と資本主義の加速によって人間と環境の関係が揺らいでいる。地球が沸騰するいま、哲学は何を思考し、どう変わりえるのか。ドゥルーズ、ガタリをはじめ、ラトゥール、スローターダイク、コッチャ、パース、リュイエル、マルディネ、ライプニッツ、ベルクソン、デリダ、ガブリエル、グラント、シェリング、西田、坂部など多様な理論を手掛かりにした気鋭たちによる熱気みなぎる挑戦。
「地球がグツグツと音を立てて煮詰まりつつある。科学者たちが予想する気候変動の「ティッピングポイント」の侵犯は、日ごとに現実化していく。その一方で、そのような気候変動を牽引していると考えられるグランド・アクセラレーションと呼ばれる諸現象は、いまだおさまるところをしらない。人間のさまざまな行為の及ぼす影響が、人間の行為を可能にする環境それ自体を不可逆的に変化させつつある。」(序論より)
- 第Ⅰ部
地球は破壊されなければならない――ブルーノ・ラトゥールのANTと新気候体制論……久保明教
山の時間、社会体のリズム――身体性と時間性をめぐる人類学的考察……山崎吾郎
大気の自然哲学試論――スローターダイク・コッチャ・ラトゥール……古村信明
進化における成長の原理としてのアガペー ――パースにおける愛と境界の変革……佐古仁志
コラム1 歌を歌うとき――ドゥルーズ゠ガタリのスピノザ的自然について……平田公威
コラム2 ドラマ化の方法――初期ドゥルーズの自然哲学と実存……得能想平 - 第Ⅱ部
超越論的経験論から自然哲学へ――ドゥルーズ哲学の終着としての形而上学的コスモロジー……小林卓也
ガタリの〈artificeの哲学〉における「素材」について――自然と機械の差異の向こう側を語る試みとして……山森裕毅
自分で自分を形づくる二つの形――ドゥルーズ、リュイエル、マルディネ……小倉拓也
コラム3 脱構築と自然の鏡――ポスト脱構築的自然史の構想……小川歩人
コラム4 石積みの実在を直観する――日本哲学から二一世紀の自然哲学へ……織田和明 - 第Ⅲ部
ライプニッツのモナド論と現実の捩れた構造――自然哲学試論……ジミー・エイムズ
光明のバロック――「日本哲学」における現前と自然……水橋雄介
宇宙からの眺め、炭素からの解放――ベルクソンの複数世界論と代替生化学……米田翼
終章 超越論的地質学としての自然――ドゥルーズとシェリングの二一世紀……檜垣立哉
コラム5 もっとデータを!――計量研究と統治の技法……永吉希久子
あとがき(檜垣立哉)
B・ファン・バヴェル『市場経済の世界史―見えざる手をこえて』名古屋大学出版会
ユーラシアにおける市場経済の展開を、中世に遡る超長期的スケールと、異なる地域・時代を包摂する統一的視座で捉え、成長から自壊に至るメカニズムを、気候変動や感染症ではなく市場内部の性質から解明。歴史を理解する枠組みを大胆に刷新し、近代と経済をめぐる数々の通説に挑む。
- 日本語版への序
- はしがき
- 第1章 序 論 —— 経済学および歴史学における市場
- 第2章 中世初期の帝国における市場 —— 500〜1100年のイラク
- 第3章 中世都市国家における市場 —— 1000〜1500年の中部および北イタリア
- 第4章 中世後期から近代初期の公国群における市場 —— 1100~1800年の低地諸国
- 第5章 エピローグ 近代国家における市場 —— 1500〜2000年のイングランド、アメリカ合衆国、そして西ヨーロッパ
- 第6章 結 論 —— 市場経済と、長期的な繁栄や平等、そして意思決定への幅広い参加との間の根本的な不和
- 注
- 訳者解説
- 参考文献
- 索 引
市川正人『表現の自由 ―「政治的中立性」を問う』岩波書店
本書は「政治的中立性」という曖昧な概念によって人々の言論活動を制限することの危険性を説くものである。公務員や放送への要求であるこの言葉は、いつしか独り歩きし、自由であるはずの私たちの言論空間が委縮して久しい。「何となく、これを言ったらまずいのではないか」という空気は、この国のそこら中に漂っている。
- まえがき――「政治的中立性」を問う
- 第一章 表現の自由はなぜ重要か
- 第二章 公務員と政治的行為
- 第三章 表現活動への「援助」
- 第四章 放送の自由と公平性
- 終章 「政治的中立性」と民主主義
- 参考資料
- あとがき
南川文里『アファーマティブ・アクション―平等への切り札か、逆差別か』中央公論新社
「積極的差別是正措置」と訳されるアファーマティブ・アクション。入試や雇用・昇進に際して人種やジェンダーを考慮する実験的で論争的な取り組みだ。1960年代、公民権運動後のアメリカで構造的な人種差別を解消する取り組みとして導入されたが、「逆差別」「優遇措置」との批判が高まる。21世紀には多様性の推進策として復権するも、連邦最高裁は2023年に違憲判決を下した――。役目を終えたのか。平等のために何をすべきか。アメリカの試行錯誤の歴史をたどり考える。
coming soon…
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