平芳裕子『東大ファッション論集中講義』筑摩書房
東京大学文学部史上初の講義を書籍化!
教養としてのファッション
ファッションとは何か? 衣服とは?
12のテーマを通じて文化や芸術としての
ファッションを学び、歴史と未来に問う。
東大生の反響を呼んだ一度きりの特別講義が
その熱を凝縮した一冊となってよみがえる。
この教室にいる誰もが服を着ています。私たちの身体を通して文化を作り上げ、資本主義社会のすみずみまで浸透し、日本のみならず世界経済を動かしているのが、ファッションです。にもかかわらず私たちはなぜ、ファッションを「浅い」ものとして見過ごそうとするのでしょうか。それは、ファッションを問うことが、私たち自身の、そして現代社会の根幹を揺るがす問題を孕んでいるからかもしれません。(本文より)
- それでもファッションを研究する――イントロダクション
- 集中講義1日目 西洋のパラダイム
第1講 裁断と縫製――衣服に起源はあるのか
第2講 言葉と学問――ファッションは何を意味するのか
第3講 作法と流行――ファッションはなぜ女性のものとなったのか - 集中講義2日目 近代がもたらしたもの
第4講 自由と拘束――女性の身体は解放されるのか
第5講 モデルと複製――ファッションデザインの近代
第6講 メディアとイメージ――衣服がファッションになるとき - 集中講義3日目 創造性への問いかけ
第7講 展示と鑑賞――ミュージアムのファッション展
第8講 身体と表象――ファッションとアートの接近
第9講 名と言説――シャネルはなぜ評価されるのか - 集中講義4日目 歴史と未来をつなぐ
第10講 女性と労働――お針子像は消えたのか
第11講 日本と近代――洋服とはなんだったのか
第12講 批評と研究――ファッション学からファッションスタディーズへ
古川弘子『翻訳をジェンダーする』筑摩書房
翻訳された言葉には必ずわたし達の社会があらわれ、
そして翻訳されたものは社会に影響を与える。
翻訳小説の女性達は原文以上に「女らしい」言葉で訳されていることがあります。翻訳と社会とわたし達の密接な関係を読みとき、性差別をなくすための翻訳、社会に抗する翻訳の可能性を探る一冊。
「はじめに」より一部抜粋
翻訳には、それまでにあった古い考えにとらわれない、新しい言葉を生み出す可能性があります。そして、社会の中に存在しなかったり、埋もれたりしている概念を言葉によって「見える化」したり、それまでの偏った見方を変えたりする力があります。
- 【目次(一部)】
- はじめに
『プラダを着た悪魔』の主人公はどんな話し方をする?
「ハリー・ポッター」のハーマイオニーには友だちがいない?
小説はフィクション、わたしたちはリアルな存在[……] - 第一章 小説の女たちはどう翻訳されてきたのか
日本語への翻訳とジェンダー
日本語の女ことばと男ことば
翻訳の中の女性はもっとも典型的な女ことばを話す?
翻訳小説の女性の話し方vs現実の女性の話し方
児童文学ではどうなる?
児童文学は保守的。児童文学の翻訳はもっと保守的。
翻訳者が再現しようとすること
汚いとされる表現にも意味がある[……] - 第二章 女たちのために自分たちで翻訳する
一九七〇・八〇年代に、自分でいる力をくれた翻訳があった
女性の健康のバイブル『Our Bodies, Ourselves』
わたしのからだは自分のもの。自分のからだをよく知ろう。
自分を大切に生きる権利は、みんなにある
『Our Bodies, Ourselves』の時代―個人的なことは政治的なこと
『女のからだ』の時代―ウーマン・リブ
『からだ・私たち自身』の時代―ウーマン・リブからフェミニズムへ
フェミニスト翻訳の三つの具体的な方法
『女のからだ』のフェミニスト翻訳の方法
『からだ・私たち自身』のフェミニスト翻訳の方法[……] - 第三章 これからのために翻訳ができること
これから考えられる三つの変化
①一律の女らしさから、それぞれの個性へ
②ネガティブなイメージのない性器の名称へ
③「彼」と「彼女」だけでなく、インクルーシブな代名詞を
松沢裕作『歴史学はこう考える』筑摩書房
史料の山に埋もれ、ひたすら解読している? 過去の出来事の是非を論争する? このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかしたいのは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。
- はじめに――歴史家は何をしているのか
- 第一章 歴史家にとって「史料」とは何か
1 根拠としての史料
2 記録を残す
3 記録を使う
4 歴史学と文書館 - 第二章 史料はどのように読めているか
1 史料の引用と敷衍――史料批判の前に
2 逓信次官照会を読む――「史料があること」が「何かがおこなわれたこと」を示す場合
3 新聞記事を読む――史料に書いてあることをどの程度疑うか
4 御成敗式目を読む――史料の書き手と歴史家の距離 - 第三章 論文はどのように組み立てられているか(1)―― 政治史の論文の例
1 歴史学の論文と歴史研究の諸分野
2 政治史の叙述――高橋秀直「征韓論政変の政治過程」
3 政治史叙述の条件 - 第四章 論文はどのように組み立てられているか(2)――経済史の論文の例
1 マルクス主義的経済史
2 経済史の叙述――石井寛治「座繰製糸業の発展過程」 - 第五章 論文はどのように組み立てられているか(3) ―― 社会史の論文の例
1 社会史のなかの運動史
2 社会史の叙述―― 鶴巻孝雄「民衆運動の社会的願望」 - 第六章 上からの近代・下からの近代 ―― 「歴史についての考え方」の一例
1 歴史についての考え方と時代区分
2 「近代」、このやっかいなもの
3 歴史研究との向き合い方
門部昌志『中井正一再考―集団/身体/言語活動』青灯社
多彩な対象に美を見出す稀有なる美学者。
代表作「委員会の論理」にいたるその思想を再構成する。
【中井正一】とは?
◆ 反ファシズムをとなえ、戦前戦後の進歩的文化人を中心に広く影響をのこす。
◇ 機械、映画、スポーツや言語活動等、あらゆるものを美的観点から論じた。
◆ 主観の解体と集団的知覚など、現代のメディア論にも通じるテーマを展開。
◇ 代表作『委員会の論理』(1936)は「メディア学の古典」として読み継がれる。
著者は日本とフランスでメディア・コミュニケーション論を研究。
その26年間にわたる研究の記録から再構成された、中井正一論の集大成の書。
- 第一章 中井正一再考──集団的思惟の機構について
- 第二章 中井正一における集団的コミュニケーションの観念
- 第三章 集団/身体/言語活動
- 第四章 中井正一の言語活動論をいかに読むか
- 第五章 中井正一と概念の問題
- 第六章 中井正一における〈性格〉論の諸相
- 第七章 集団的思考と危機──三○年代の中井正一と分裂するディア・ロゴス
須田悠基『真理の本性―真理性質の実質性を擁護する』勁草書房
命題が真であるとはいかなることなのか? インフレ主義とデフレ主義による未調停の対立の検討を通して、真理性質の本性を解明する。
本書では真理述語/真理性質/真理概念をめぐる議論の区別を明確にした上で、性質としての真理の本性の解明を目指す。形而上学と認識論という二つの領域からアプローチすることでインフレ主義とデフレ主義の議論を検討し、真理性質にはある種のインフレ主義的な理解を認める必要があることを明らかにして真理の実質性を擁護する。
- はしがき
- 序章 真理をめぐる問いと対立
- 第Ⅰ部 形而上学
第1章 真理の一元主義
第2章 真理の多元主義
第3章 形而上学のなにが問題か - 第Ⅱ部 認識論
第4章 真理の実質性と信念の規範
第5章 メタ認識論と真理
第6章 機能主義的ミニマルインフレ主義と方法論的インフレ主義 - 結語
- 参考文献/あとがき/人名索引/事項索引
本の雑誌編集部『本の雑誌―特集:国会図書館で調べものを』本の雑誌社
特集:国会図書館で調べものを 日本で出版されたすべての出版物がある!と言われる国立国会図書館とはどんなところなのか。本の雑誌の創刊号はあるのか!? というわけで、本の雑誌10月号の特集は「国会図書館で調べものを」。「調べる技術」の小林昌樹による国民図書館宣言から、国会図書館の正しい使い方にイラストルポ、ヘビーユーザーの国会図書館体験に図書館突発ペーパー、デジタルコレクションの愉しみにおじさん二人組+2の本の雑誌創刊号も求めての書庫探検、そして国会図書館推し座談会まで、国会図書館のすべてがわかる(かもしれない)禁帯出の特集なのだあ!
新刊めったくたガイドは、柿沼瑛子が最高のロス・マクオマージュ陸秋槎『喪服の似合う少女』に思わず膝を叩けば、石川美南は衝撃の〈少女〉小説で世界の深淵にどっぷり。大森望が1091ページの巨峰・奥泉光『虚史のリズム』に五つ星!なら、酒井貞道は思わぬ場所に読者を誘う、篠田節子『四つの白昼夢』で達人の凄味を堪能。松井ゆかりが滝沢志郎『月花美人』に感謝を捧げれば、東えりかは車谷長吉『癩狂院日乗』の作家の業の深さに深いため息。そして本の雑誌チームは松永K三蔵『バリ山行』がただひたすらおもしろい!と絶賛だ。あなだも「オモロイ純文運動」にはまってみよう!
今月の図書カード三万円使い放題!には永井紗耶子が登場! 子どものころから出入りしている丸善日本橋店で、民俗学の気になる本から一万円の美術図録まで、養分となる本を買いまくれば、読み物作家ガイドは青木逸美が京極夏彦の10冊を紹介。壮大なる京極曼荼羅の煉瓦本に沼るぞ。そして今月から新潟北書店店主・佐藤雄一の「信濃川日記」が連載スタート。前世紀の七夕事件の顛末に注目だ。さらに黒い昼食会が「ジャンプGIGA」に怒りの鉄拳なら、岡崎武志は「やっぱり店を持ちたい!」と咆哮! 北原尚彦が名探偵ホームズに惑えば、内澤旬子はピヨちゃんずの寝室作りに奮闘だ。さあ、なにか不明なことがあったら、国会図書館のデジタルコレクションで調べれば疑問も解消! 本の雑誌10月号をすみからすみまで読んでくれぃ!
- 特集:国会図書館で調べものを
国会図書館は「国民の図書館」なのだ 小林昌樹
国会図書館、わたしの場合 平山亜佐子
国会図書館イラストルポ すずきたけし
「たった一冊」と対面できる場所 牟田都子
クレジットなしイラスト探索の罠 田中すけきよ
小村雪岱雑誌挿絵リスト 真田幸治
麻雀漫画誌ローラー大作戦! V林田
おもしろくてためにならない話 白峰彩子
デジコレの楽しみと危険について 山本貴光
おじさん二人組+2、国会図書館に行く!
人文書編集者座談会/国立図書館に名前を変えよう! 麻田江里子・柴山浩紀・竹田 純
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