ジャン・リュック・ナンシー『嘘の真理(ほんと)』講談社
「なぜ嘘をついてはいけないの?」 21世紀のフランスを代表する哲学者ジャン=リュック・ナンシーが「これまでで一番難しい」テーマ、〈嘘〉について語った楽しい哲学入門!
自らの少年時代や身近な社会問題を例にあげながら、聴衆である子どもたちとともに嘘について考えます。「誰でも嘘をつくんですか?」 「良い嘘もある?」 「動物は嘘をつくことができる?」 「嘘は真実にもなりえますか?」 「他人が嘘をついているのを見抜く方法は?」……あなたならどう答えますか?
やわらかに、ときに茶目っけたっぷりに語られる「嘘の真理(ほんと)」は、「信頼」の問題へ、さらに著者が生涯をかけて考え続けた「共同体」の問題へと展開していきます。「嘘は根本的に、まさしく他人への関係なのです」。
ナンシーとその思索を明快に紹介した訳者解説とともに贈る、哲学への極上の招待!
- 嘘の真理(ほんと)
- 質問と答え
- 訳者による解説
- 訳者あとがき
菅俊一, 田中みゆき, 水野祐『ルール?本―創造的に生きるためのデザイン』フィルムアート社
ルールはあなたを縛るものではなく、この社会で自由に生きるためのもの?
世界の見え方が変わっていく、「ルール×デザイン」入門。
法律や規則、マナー、習慣、自然法則……わたしたちはさまざまなルールに囲まれて生きています。
本書では、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します。この4つのサイクルに着目し、ルールはデザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。
身の回りにあるルールを意識し、自分のこととして関わり、柔軟にとらえ直すことで、ルールとポジティブに向き合うことの大切さと、ルールは私たちの思考や行動を制限するものではなく、この社会で自由に生きるためのものであることを説く、日常をデザインする創造的実践のガイドとなる一冊です。
遊び心と創造力に満ちた、新しい「ルール」本の誕生!
「ルールについての展覧会?!」と大反響を呼んだ、21_21 DESIGN SIGHTの企画展「ルール?展」(2021年)。展示期間中、オンライン予約の取れない展覧会として話題となり、TikTokやInstagramでZ世代の若者たちにも人気を博したあの「ルール?展」が、「本」となって帰ってきた!
展覧会ディレクターの菅俊一・田中みゆき・水野祐による、「ルール」についてさらに深掘りした全編書き下ろしのテキスト+座談会に、宇野重規(政治哲学者)、清水晶子(フェミニズム/クィア理論研究者)、小田原のどか(彫刻家/評論家)、細馬宏通(人間行動学者)、会田大也(ミュージアム・エデュケーター)、木ノ戸昌幸(元NPO法人スウィング理事長)の豪華執筆者による寄稿を加えて再編集・成書化。
- まえがき
- 第Ⅰ部 入門編
1 なぜルールは必要なのか
2 道具としてのルール
3 ルールと創造性
〈TEXT〉 - 第Ⅱ部 実践編
1 ルールをつくる
2 ルールを使う
3 ルールを見直す
4 ルールを更新する - 〈座談会〉菅俊一×田中みゆき×水野祐
- 謝辞/「ルール?展」展示作品クレジット/主要参考文献
三宅香帆『娘が母を殺すには?』PLANETS/第二次惑星開発委員会
「母」の呪いに、小説・漫画・ドラマ・映画等のフィクションはどう向き合ってきたのか?
『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』の三宅香帆が、「母」との関係に悩むすべての「娘」たちに贈る、渾身の文芸評論!
「毒母」「呪い」「母がしんどい」「母が重い」――いまや社会現象となっている「母と娘の葛藤」は、フィクション作品の中でも繰り返し描かれ、その解法が探られてきた。
本書では、注目の若手批評家・三宅香帆の視点をもとに、「母と娘の物語」を描いた作品の分析し、「母娘問題」のひとつの「解」――「母殺し」の具体的方法を提示する。
「あまりに物騒なタイトルに、いささか驚いた人もいるかもしれないが、もちろん「母殺し」とは、物理的な殺人を意味するものではない。そうではなく、本書で主張したいのは、古来多くのフィクションが、息子の成熟の物語として「父殺し」を描いてきたように、娘もまた精神的な位相において「母殺し」をおこなう必要があるのではないか、ということだ。」――まえがきより
【本書で取り上げる作品一覧】
『イグアナの娘』『ポーの一族』『残酷な神が支配する』萩尾望都/『砂時計』芦原妃名子/『日出処の天子』山岸凉子/『イマジン』槇村さとる/『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子/『乳と卵』川上未映子/『爪と目』藤野可織/『吹上奇譚』『キッチン』『大川端奇譚』吉本ばなな/『銀の夜』角田光代/『凪のお暇』コナリミサト/『SPY×FAMILY』遠藤達哉/『Mother』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』坂元裕二/『くるまの娘』宇佐見りん/『愛すべき娘たち』よしながふみ/『私ときどきレッサーパンダ』ドミー・シー/『娘について』キム・ヘジン/『肥満体恐怖症』『最愛の子ども』松浦理英子/『母という呪縛 娘という牢獄』斎藤彩
- 第一章 「母殺し」の困難
1 母が私を許さない
2 母が死ぬ物語―「イグアナの娘」『砂時計』「肥満体恐怖症」
3 「母殺し」はなぜ難しいのか? - 第二章 「母殺し」の実践
1 対幻想による代替―1970~1980年代の「母殺し」の実践
2 虚構による代替―1990年代の「母殺し」の実践
3 母を嫌悪する―2000年代以降の「母殺し」の実践 - 第三章 「母殺し」の再生産
1 自ら「母」になる―もうひとつの「母殺し」の実践
2 夫の問題
3 父の問題 - 第四章 「母殺し」の脱構築
1 母と娘の脱構築
2 二項対立からの脱却
3 「母殺し」の物語
マーティン・ジェイ『うつむく眼〈新装版〉―二〇世紀フランス思想における視覚の失墜』法政大学出版局

二〇世紀フランス思想は近代における視覚の覇権体制に反旗を翻した。絵画、写真、映画等々の視覚芸術から哲学、宗教、心理学、ジェンダーにいたる諸論点をめぐり、ベルクソン、サルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナス、ラカン、フーコー、デリダらの思考が「反視覚」の一点において重なり合う圧倒的思想史にして、フランクフルト学派の研究で知られる著者の新展開を鮮烈に印象づけた記念碑的大著。
- 謝 辞
- 序 論
- 第1章 もっとも高貴な感覚──プラトンからデカルトにいたる視覚の変遷
- 第2章 啓蒙(EnLIGHTenment)の弁証法
- 第3章 視覚の旧体制の危機──印象主義者からベルクソンへ
- 第4章 眼の脱呪術化──バタイユとシュルレアリストたち
- 第5章 サルトル、メルロ=ポンティ、新しい視覚の存在論の探求
- 第6章 ラカン、アルチュセール、イデオロギーの鏡像的主体
- 第7章 眼差しの帝国からスペクタクルの社会へ──フーコーとドゥボール
- 第8章 死を呼び起こすもの(メメント・モリ)としてのカメラ──バルト、メッツ、『カイエ・デュ・シネマ』
- 第9章 「ファルス─ロゴス─視覚中心主義」──デリダとイリガライ
- 第10章 盲目の倫理とポストモダンの崇高──レヴィナスとリオタール
- 結 論
- 訳者あとがき/参考図版/訳註/原註/事項索引/人名索引
橋爪太作『大地と星々のあいだで―生き延びるための人類学的思考』イースト・プレス
人類史を横断する「人間以前のもの」の痕跡、
そこから見えてくる新たな自然と新たな人間の未来!
荒れ果てた産業林に生じたマツタケ採集のエコノミー、湖底に眠る泥が証す地質学的なカタストロフ……。
3.11をきっかけにメラネシアに渡航し、祖先以前の大地と向き合う人々について思索を重ねてきた人類学者による、生き延びるための思考とは何か。
著者メッセージ
本書の旅は、20世紀から21世紀に至る歴史のベクトルを「有限から無限へ」から「無限に媒介された有限」への転回として捉える視座を引き受けつつ、さらにその先に進むものであったと言える。(中略)「プラスチックが新たな地層となる」人新世の有限性を突き抜けて、その内部に再び無限――あるいは具体的・経験的な輪郭を持った無数の「他者」――を見出すことに、この時代からの解放と、新たな明晰さの獲得を賭けた。(中略)私たちが生きる高原は、今後ますます空気が薄くなっていくことがあらかじめ定められているのだ。この世界における生存と自由の可能性は、自らの足元と頭上にある力を認識し、その可能性を裂開させることにあるだろう。(終章「高原の裂開」より)
- 第1章 壊れた世界の向こう側
- 第2章 死は地中にあり、掘ると染み出てくる
- 第3章 プラスチックが新しい地層になるとき
- 第4章 『もののけ姫』を読む
- 第5章 廃墟のマツタケ
- 第6章 人間の変容
- 第7章 自然の変容
- 第8章 星々の力
- 終章 高原の裂開
原案:坂口恭平, 絵:道草晴子『生きのびるための事務』マガジンハウス
芸術家でも誰でも、事務作業を疎かにしては
何も成し遂げられない。
夢を現実にするたった一つの技術、
それが《事務》です。
この作品は作家、建築家、画家、音楽家、
「いのっちの電話」相談員として活動する
坂口恭平が若い頃に出会った優秀な事務員・
ジムとの対話で学び、人生で実践した方法を
記したテキストを原作にコミカライズして、
《事務》ってめちゃくちゃ大事!
ってことが漫画でわかる本です。
「自分に自信がない」
「ハードルを高く設定しがち」
「悩んで行動に移せない」
足らないことは《事務》でした。
- はじめに ジムとの出会い
- 第1講 事務は『量』を整える
- 第2講 現実をノートに描く
- 第3講 未来の現実をノートに描く
- 第4講 事務の世界には失敗がありません
- 第5講 毎日楽しく続けられる事務的『やり方』を見つける
- 第6講 事務は『やり方』を考えて実践するためにある
- 第7講 事務とは好きとは何か? を考える装置でもある
- 第8講 事務を継続するための技術
- 第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること
- 第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある
- 第11講 どうせ最後は上手くいく
- あとがき
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