新刊紹介

新刊紹介_20231129

 
新刊紹介

三浦哲哉『自炊者になるための26週』朝日出版社

概要

さっと買って、さっと作って、この上なく幸福になれる。
「トーストを焼くだけ」からはじまる、日々の小さな創造行為。

おいしさと創造力をめぐる、全くあたらしい理論&実践の書!

“面倒”をこえて「料理したくなる」には、どうしたらいいでしょう。
“ほぼ毎日キッチンに立つ”映画研究者が、その手立てを具体的に語ります。

・大方針は、「風味の魅力」にみちびかれること。
「風味」=味+におい。自由に軽やかに、においを食べて世界と触れ合う。
そのよろこびで料理したくなる。人間のにおい解像度は犬並み? 
最新の科学研究だけでなく、哲学、文学、映像論の重要テクストを手がかりに、知られざる風味の秘密に迫ります。

・目標は、素材から出発して、ささっとおいしいひと皿が作れるようになること。
1週に1章、その週の課題をクリアしていけば、26週=半年で、だれでも、すすんで自炊をする人=自炊者になれる、がコンセプト。

蒸す、煮る、焼く、揚げる「だけ」のシンプル料理から、「混ぜる」「組み合わせる」、さらに魚をおろして様々に活用するまでステップアップしていきます。
日本酒とワインの新しいあり方、買い物や献立てに悩まないコツ、家事分担も考えます。

・感覚を底上げする、「名曲」のようなレシピを40以上収録しています。
「ヤンソンの誘惑」「鶏肉とパプリカ」「山形のだし」「麦いかのフリット」等々、素朴だけど、素材と出会いなおすような感動のあるものばかり。古今東西の料理書を読みこんだ著者ならではのベストチョイスです。
より先へ進みたくなった人のための懇切丁寧なブックガイドつき!

目次
  • 序 料理したくなる料理
  • 1 においの際立ち
  • 2 においを食べる
  • 3 風味イメージ
  • 4 セブンにもサイゼリヤにもない風味
  • 5 基礎調味料
  • 6 買い物
  • 7 蒸す
  • 8 焼く
  • 9 煮る
  • 10 揚げる、切る
  • 11 動線と片付け
  • 12 カイロモン
  • 13 日本酒
  • 14 ワイン
  • 15 青魚
  • 16 白身魚など
  • 17 1+1
  • 18 混ぜる
  • 19 春夏の定番レシピ
  • 20 秋冬の定番レシピ
  • 21 乾物
  • 22 発酵
  • 23 うつわとスタイル
  • 24 ファーム・トゥ・テーブルとギアチェンジ
  • 25 索引と徴候
  • 26 家事と環境
  • 参考文献
  • ブックガイド

岸政彦編『大阪の生活史』筑摩書房

概要

150人が語り、150人が聞いた大阪の人生。大阪に生きる人びとの膨大な語りを1冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。

点滅社編集部編『鬱の本』点滅社

編集:点滅社編集部
概要

鬱のときに読んだ本。憂鬱になると思い出す本。まるで鬱のような本。
84名の方による、「鬱」と「本」をめぐるエッセイ集。本が読めないときに。

(夏葉社さまの『冬の本』にインスパイアされてつくった作品です)

まえがき

この本は、「毎日を憂鬱に生きている人に寄り添いたい」という気持ちからつくりました。どこからめくってもよくて、一編が1000文字程度、さらにテーマが「鬱」ならば、読んでいる数分の間だけでも、ほんのちょっと心が落ち着く本になるのではいかと思いました。

病気のうつに限らず、日常にある憂鬱、思春期の頃の鬱屈など、様々な「鬱」のかたちを84名の方に取り上げてもらっています。

「鬱」と「本」をくっつけたのは、本の力を信じているからです。1冊の本として『鬱の本』を楽しんでいただくとともに、無数にある「鬱の本」を知るきっかけになれば、生きることが少し楽になるかもしれないという思いがあります。

この本が、あなたにとっての小さなお守りになれば、こんなにうれしいことはありません。あなたの生活がうまくいきますように。

※本書は、うつや、うつのような症状の方のためのマニュアル本や啓発本ではありません。そのため、例えば「うつ病の具体的な治療方法」などは書かれておりません。ご了承ください。

目次

「鬱」ベースの社会に (青木真兵)
怪談という窓 (青木海青子)
犬に限らず (安達茉莉子)
にぐるまひいて (荒木健太)
世界の色 (飯島誠)
形を持った灯りを撫でる (池田彩乃)
棚からぼたもち落ちてこい (石井あらた)
ブランコ (市村柚芽)
憂鬱と幸福 (海猫沢めろん)
世界の最悪さを確認する喜び (大谷崇)
人と共感できず、なにしろもがいていた頃の話 (大塚久生)
椎名誠『僕は眠れない』 (大槻ケンヂ)
高校時代 (大橋裕之)
ウツのときでも読める本 (大原扁理)
低迷期の友 (荻原魚雷)
多摩川で石を拾おうとした (落合加依子)
ポジティブ。 (柿木将平)
布団からの便り (梶本時代)
『金髪の草原』の「記憶年表」 (頭木弘樹)
やらない勇気 (勝山実)
天窓から光 (上篠翔)
生れてくるという鬱 (切通理作)
「できない」自分との付き合い方 (こだま)
深い深い水たまり (小見山転子)
我輩はゴムである (ゴム製のユウヤ)
鬱の本 (佐々木健太郎)
弱々しい朝 (笹田峻彰)
不良作家とAI (佐藤友哉)
ある日、中途半端に終わる (左藤玲朗)
本は指差し確認 (篠田里香)
ゆううつと私 (柴野琳々子)
中学生日記 (島田潤一郎)
俺は鬱病じゃない (下川リヲ)
あの娘は雨女 (菅原海春)
旅 (杉作J太郎)
十九歳と四十七歳の地図 (鈴木太一)
悪意の手記を携えて (第二灯台守)
願い (髙橋麻也)
君も蝶 (髙橋涼馬)
静止した時間の中で (高村友也)
Life Goes On (瀧波ユカリ)
鬱時の私の読書 (滝本竜彦)
ちいさな救い (タダジュン)
いのちの気配 (谷川俊太郎)
喘息と明るい窓 (丹治史彦)
毎日があるまでは (輝輔)
とかげ (展翅零)
沈黙のオジオン (トナカイ)
大学をやめたい (鳥羽和久)
西村賢太という比類なき衝撃 (友川カズキ)
空の大きさと愛の切符 (友部正人)
たたかれて たたかれて 鍛えられる本と人 (豊田道倫)
神経の尖った人の見る世界 (鳥さんの瞼)
かけ算とわり算 (永井祐)
明日できることは明日やる (中山亜弓)
2023年4月 (七野ワビせん)
曖昧なものの博物館 (西崎憲)
戦友 (野口理恵)
きこえる声で話してくれた (初谷むい)
言葉の声が案内してくれる (東直子)
ゲーテをインストールする。 (Pippo)
脱法ドラッグ米粉 (姫乃たま)
何度もめくる、自分はここにいる (緋山重)
深夜のツタヤ (平野拓也)
このバカ助が (pha)
NHKにさよなら! (ふぉにまる)
鬱、憂鬱、10代、と言われ放出したレテパシー (古宮大志)
鬱は小説の始まり (増田みず子)
ため息を深く深く深く深く……ついてそのまま永眠したい (枡野浩一)
人間の鬱 (町田康)
憂鬱な銀河 (マツ)
それがかえって (松下育男)
夕に光 (miku maeda)
あなたが起きるまで (みささぎ)
ダメになって救われる――町田康のこと (水落利亜)
うつのサーフィン (水野しず)
本が読めた日 (無)
蜘蛛と解放区 (森千咲)
俯きながら生きている (森野花菜)
喋らないヒロイン (山崎ナオコーラ)
悲観論者のライフハック (山﨑裕史)
たぶん、不真面目なんだと思う (山下賢二)
ぼくの精神薬 (屋良朝哉)
なにかに抱かれて眠る日がある (湯島はじめ)

岩谷舟真, 正木郁太郎, 村本由紀子『多元的無知―不人気な規範の維持メカニズム』東京大学出版会

概要

集団規範が個々の構成員に支持されていないにもかかわらず、集団レベルでは維持されてしまう「多元的無知」現象の生起から維持までのメカニズムやダイナミックなプロセスについて実証的に検討し、マイクロ(個人)・マクロ(社会環境)両面からの包括的解明を目指す。

目次
  • 序章 多元的無知とは
  • 第Ⅰ部 多元的無知を生み出す認知メカニズム
    第1章 多元的無知はどのように生起するのか(研究1)
    第2章 多元的無知状態が維持されるメカニズム(研究2)
  • 第Ⅱ部 多元的無知状態が生じやすい社会環境の検討
    第3章 関係流動性の高さと多元的無知の関係(研究3)
    第4章 居住地流動性の高さと多元的無知の関係(研究4)
  • 第Ⅲ部 ビジネスの現場を対象とした応用的研究
    第5章 個人のパフォーマンス(職務能力)と転職行動との関連(研究5)
    第6章 職場における多元的無知とその帰結(研究6)――職場間比較の視点
  • 第Ⅳ部 不人気な規範が解消されるには
    第7章 本書のまとめ――多元的無知を引き起こす認知・環境要因と個人差
    第8章 本書の社会的・文化的・実践的意義と展望

西村紗知『女は見えない』筑摩書房

概要

桜庭一樹氏推薦!
同じ困難さの中にいて別の形で生き延びている他者の声が確かに聴こえたように、わたしは思って、読めてよかったと思いました。(SNSより)

七海なな、前田敦子、Dr.ハインリッヒ、丸サ進行、愛子内親王――。
愛が消費と常に癒着する。
そのシステムの中で、人はよく生きることができるのか。
すばるクリティーク賞を受賞した新鋭のデビュー批評集。

装画 水野里奈《外にない庭》2016年、キャンバスに油彩、ボールペン

目次
  • 「貨幣」と「娼婦」の話(まえがきにかえて)
  • 1 七海ななについて知っているいくつかのこと
  • 2 あの頃の前田敦子
  • 3 Dr.ハインリッヒの漫才を見るためには
  • 4 「丸サ進行」と反復・分割の生
  • 5 「推せ」ない「萌え」ない愛子さま
  • 補論 「東京の男の子」の悩み事
  • これまでのこととこれからのこと(あとがきにかえて)

水谷孝, 市田良彦編著『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集』The Last One Musique

著:水谷孝, 著:市田良彦, 写真:中村趫, 編集:市田良彦
概要

“これをもって私の祈りの最終章としたい (ロートレアモン / 水谷孝)”

裸のラリーズ──水谷孝、その言葉たち。

オリジナル・メンバー中村趫の写真作品と、日・英・仏、3言語による「裸のラリーズの詩」定本。哲学者・市田良彦・編集解説。鈴木創士・寄稿。

「イビスキュスの花」
1969年録音/完全未発表音源(20分19秒)収録CD付

The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集
著者: 水谷孝
写真: 中村趫
著者・編者: 市田良彦
造本装幀: 宇治晶

目次
  • まえがき / 市田良彦
  • 真夏の吸血鬼 / 鈴木創士
  • 裸のラリーズ詩集(日 / 英 / 仏)
  • あとがき / 市田良彦

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