“みんな”でいたくない“みんな”のために
「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。
性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来――バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、すべての「普通」と「規範」を問い直す。
「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より)
「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)
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