土屋葉編著『障害があり女性であること―生活史からみる生きづらさ』現代書館
障害のある女性48名の生活史から、「障害があり女性である人たち」を生きづらくさせている社会構造や差別について、深く考察した一冊。障害者について論じられるときには、性差別のせいで女性の声がかき消され、女性について論じられるときには障害者差別のせいで障害女性の声はかき消されるという状況がある。しかし、障害のある女性が受ける差別の実態を明らかにする試みはいまだ途上にあり、複雑に絡み合う問題を把握するためのデータは圧倒的に不足している。本書は、この不足を埋めることを試みるものである。
- 第Ⅰ部 障害とジェンダーをめぐる困難
- 第Ⅱ部 ライフコースと性役割
- 第Ⅲ部 これまでとこれから
- 課題・論点
長田華子, 金井郁, 古沢希代子編著『フェミニスト経済学―経済社会をジェンダーでとらえる』有斐閣
フェミニズムの視点から,すべての人のウェルビーイングの実現をめざす。
日本ではじめてのフェミニスト経済学のテキスト!
- 第Ⅰ部 理論と方法
第1章 フェミニスト経済学への招待
第2章 アンペイドワーク──人間のニーズとケア
第3章 世帯──世帯内意思決定と資源配分
第4章 生活時間──資源としての時間
第5章 ジェンダー統計──社会を把握するツール - 第Ⅱ部 領域と可能性
第6章 労働市場──ペイドワークと格差
第7章 マクロ経済──再生産領域を加える
第8章 ジェンダー予算──ジェンダー主流化のためのツール
第9章 福祉国家──ジェンダー関係を形づくる
第10章 金融──金融危機のジェンダー分析
第11章 資本・労働力移動──グローバル経済の特質としての女性化
第12章 貿易自由化──競争優位の源泉としてのジェンダー格差
第13章 開発──連帯とエンパワーメント
第14章 環境・災害──レジリエンスの構築
旭洋一郎, 髙木博史編著『いま、ソーシャルワークに問う―現代社会と実践/理論・養成教育/当事者運動』生活書院
日本のソーシャルワークは危機的な状況にある!
支援を受ける人が抱える生活困難が社会構造とどのようにかかわって生じているのかを読み解き、
与えられた制度の枠内で社会資源と結びつけるだけでなく、社会変革を現実のものとするために働きかけていくこと…
日本のソーシャルワークがその本来の姿に回帰するきっかけとなることを願って、「ソーシャルワークのいま」を問い直し、今後のあり方を模索する。
- まえがき 髙木博史
- 第1部 現代社会とソーシャルワーク実践
第1章 「ケアマネジメント」化するソーシャルワーク――介護保険制度の導入は何をもたらしたのか 髙木博史
第2章 広がる格差、「子どもの貧困」対策とソーシャルワーク 西﨑 緑
第3章 若年層の雇用条件向上に向けて 西﨑 緑
第4章 コミュニティ・ソーシャルワーカーとソーシャル・アクション 西﨑 緑
第5章 「沖縄」で問われたソーシャルワーク 髙木博史 - 第2部 ソーシャルワーク理論と養成教育
第6章 「政治性」を忘却した理論はどこへ向かうのか――ソーシャルワーク、社会福祉の理論的視座 旭洋一郎
第7章 ソーシャルワーカー養成と支援現場と 打保由佳 - 第3部 当事者運動とソーシャルワーク
第8章 ソーシャルワークにおける援助関係・再考――青い芝の会の友敵理論から 深田耕一郎
第9章 ソーシャルワークは優生思想にどう向き合うのか――優生保護法と当事者運動 小森淳子 - あとがき 西﨑 緑
ナンシー・スタンリック『アメリカ哲学入門』勁草書房
アメリカ哲学の真髄とは何か。代表的な思想を時代にそって概観する定評ある入門書であるとともに、従来哲学史観に挑戦する画期の書。
教育的配慮のいきとどいた入門書であるとともに、アメリカ哲学を保守的・硬直的・静態的な定義から解放することをめざす、挑戦の書。ジョナサン・エドワーズ、建国の父たち、プラグマティストらに加えて、女性、黒人、ネイティヴ・アメリカンといったアイデンティティをもつ論者についても積極的に採り上げて、あらたな歴史観を示す。
- 日本語版への序文
- 前書き
- 第一章 序論
- 第二章 ヨーロッパ系アメリカ哲学の誕生
- 第三章 啓蒙主義的革命家
- 第四章 啓蒙主義的革命家を超えて
- 第五章 ニューイングランドのトランセンデンタリズムと継続する改革の精神
- 第六章 プラグマティスト
- 第七章 アメリカ哲学の最近の展開(第一部)
- 第八章 アメリカ哲学の最近の展開(第二部)
- 訳者解題
- 用語解説
- 文献表
- 索 引
小森康永, D・デンボロウ, 岸本寛史ほか『ナラティヴと情動―身体に根差した会話をもとめて』北大路書房
ナラティヴ・セラピーは,神経科学とどのように関係しているのか? 「感情」や「身体」とどのように関わっているのか? 「情動論的転回」とどのように関連しているのか? コミュニティ・ワーカー,緩和医療の専門家,ソーシャルワーク実践者,心理学者らの論考が照らし出す〈ナラティヴ情動実践〉のかたちとは。
- 第一部 神経科学の道を旅する
第一章 ナラティヴ実践と神経科学の出会い
第二章 感情移入する
第三章 情動論的転回との関わり
第四章 ナラティヴ・セラピーと身体 - 第二部 情動論的転回と触発ナラティヴ
第五章 ナラティヴ情動実践に向けて
第六章 神経科学と感情
第七章 ナラティヴ・プラクティスと情動
第八章 ナラティヴからアフェクト変様態へ
グリン・モーガン『サイエンス・フィクション大全―映画、文学、芸術で描かれたSFの世界』グラフィック社
「サイエンス・フィクション」と「サイエンス・ファクト」の関係について、科学者、キュレーター、現在作家など、著名な専門家たちが寄稿した、最も権威ある国際的な概説書。
- サイエンス・フィクションの世界を想像する
- 人間と機械
- 宇宙の旅
- コミュニケーションと言語
- エイリアンと疎外感
- 不安と希望
- 参考文献
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