Information | |
---|---|
著者 | 永田希 |
発行 | イースト・プレス |
発売日 | 2020/04/17 |
千葉雅也氏推薦
「読まずに積んでよい。むしろそれこそが読書だ。
人生観を逆転させる究極の読書術!」
読めないことにうしろめたさを覚える必要などない。
まずはこの本を読んで、堂々と本を積もう。
気鋭の書評家が放つ、逆説的読書論!
情報が濁流のように溢れかえり、消化することが困難な現代において、
充実した読書生活を送るための方法論として本書では「積読」を提案する。
バイヤールやアドラーをはじめとする読書論を足掛かりに、
「ファスト思考の時代」に対抗する知的技術としての「積読」へと導く。
たしかに本は、人に「いま」読むことを求めてきます。
でも、それと同時に、書物は「保存され保管される」ものとして作られたものだったことを思い出してください。
情報が溢れかえり、あらゆるものが積まれていく時代に生きているからこそ、
書物を積むことのうしろめたさに耐えて、あなたは読書の前にまず積読をするべきなのです。(本文より)
- 第一章 なぜ積読が必要なのか
情報の濁流に飲み込まれている
読書とは何だったろうか
情報の濁流のなかのビオトープ
蔵書家が死ぬとき、遺産としての書物 - 第二章 積読こそが読書である
完読という叶わない夢
深く読み込むことと浅く読むこと
ショーペンハウアーの読書論
「自前」の考えをつくる方法 - 第三章 読書術は積読術でもある
一冊の本はそれだけでひとつの積読である
読めなくていいし、読まなくてもいい
本を読まない技術
積読のさらなるさまざまな顔 - 第四章 ファスト思考に抗うための積読
デジタル時代のリテラシー
書物のディストピア
積読で自己肯定する
この記事では『積読こそが完全な読書術である』pp.233-238に記載の参考文献についてご紹介します。
参考文献一覧 Part.1
ハビエル・アスペイティア(2018)『ヴェネツィアの出版人』作品社
東浩紀(1998)『存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて』新潮社
J・モーティマー・アドラー, V・チャールズ・ドーレン(1997)『本を読む本』講談社
安藤哲也, 永江朗, 小田光雄(2000)『出版クラッシュ!?―書店・出版社・取次 崩壊か再生か 超激震鼎談・出版に未来はあるか?〈2〉』編書房
著:哲也, 安藤, 著:朗, 永江, 著:光雄, 小田

今福龍太(2009)『身体としての書物』東京外国語大学出版会
歌田明弘(2010)『電子書籍の時代は本当に来るのか』筑摩書房
ウンベルト・エーコ(1990)『薔薇の名前』東京創元社
ウンベルト・ エーコ, ジャン=クロード・ カリエール(2010)『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』阪急コミュニケーションズ
小田光雄(2003)『書店の近代―本が輝いていた時代』平凡社
尾鍋史彦(2012)『紙と印刷の文化録―記憶と書物を担うもの』印刷学会出版部
ダニエル・カーネマン(2014)『ファスト&スロー(上)』早川書房
加藤周一(2000)『読書術』岩波書店
加藤好郎ほか編(2018)『書物の文化史 メディアの変遷と知の枠組み』丸善出版
金森修(2014)『新装版 サイエンス・ウォーズ』東京大学出版会
参考文献一覧 Part.2
鎌田浩毅(2018)『理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント』中央公論新社
岸恵美子(2012)『ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態』幻冬舎
近自然研究会編(2004)『ビオトープ―環境復元と自然再生を成功させる101ガイド』誠文堂新光社
ジャン・ジョゼフ・グー(1998)『言語の金使い―文学と経済学におけるリアリズムの解体』新曜社
著:ジャン=ジョゼフ グー, 原名:Goux,Jean‐Joseph, 翻訳:知則, 土田

ジェイムズ・グリック(2013)『インフォメーション: 情報技術の人類史』新潮社
桑木野幸司(2018)『記憶術全史 ムネモシュネの饗宴』講談社
ケヴィン・ケリー(2016)『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』NHK出版
紅野謙介(1999)『書物の近代―メディアの文学史』筑摩書房
古賀弘幸(2017)『文字と書の消息 ――落書きから漢字までの文化誌』工作舎
小飼弾(2018)『本を遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』朝日新聞出版
小林秀雄(2013)『読書について』中央公論新社
ニコラ・コンタ(2013)『18世紀印刷職人物語』水声社
近藤麻理恵(2019)『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』河出書房新社
齋藤孝(2002)『読書力』岩波書店
佐々木俊尚(2010)『電子書籍の衝撃』ディスカヴァー・トゥエンティワン
アンドレ・ジッド(2017)「贋金つくり」『アンドレ・ジッド集成IV』筑摩書房
清水徹(2001)『書物について: その形而下学と形而上学』岩波書店
ロジェ・シャルチェ(1992)『書物から読書へ』みすず書房
編集:シャルチェ,ロジェ, 原名:Chartier,Roger, 翻訳:章, 水林, 翻訳:俊和, 露崎, 翻訳:利明, 泉

comment