新刊紹介

新刊紹介_20240419

 
新刊紹介

飯盛元章『暗黒の形而上学―触れられない世界の哲学』青土社

概要

私たちは世界の5%も理解できない
この世界にはわかるものよりわからないもののほうが多く、触れられるものより触れられないもののほうが圧倒的に多い。ホワイトヘッド、ハーマン、メイヤスー、ラトゥール、マラブー……最前線の思想を補助線に、闇に包まれた世界のなかで生きる私たちのために描き出される現代形而上学。

目次
  • プロローグ 世界は触れられなさで満ちている
  • I わたしたちはすべてを認識できない──断絶
    第1章 関係の糸を引き裂き、自由な存在を撒き散らせ
    第2章 ホワイトヘッド哲学最速入門
    第3章 ようこそ!狂気の怪奇オブジェクト空間へ──ハーマン入門
    第4章 関係と無関係、あるいは美と崇高──ホワイトヘッドとハーマンの形而上学
    第5章 思弁的実在論は闇を光に転化させてしまう──ベンスーザン『指標主義』のブックガイド
  • Ⅱ 「法則」の外はとつじょ到来する──破壊
    第6章 哲学はなぜ世界の崩壊の快楽を探究してしまうのか──パンデミックから破壊の形而上学へ
    第7章 非ネットワーク的外部へ──ラトゥール、ホワイトヘッド、ハーマンから、破壊の形而上学へ
    第8章 ディグ的、あるいはスイングバイ的読解
    第9章 闇堕ちの哲学──怒りのダークサイド試論
    第10章 変身から異世界転生へ──カフカ、ドゥルーズ+ガタリ、マラブー、メイヤスーをめぐって
  • エピローグ 破壊の形而上学、略してMOD(モッド)の全面的展開へ向けて
  • あとがき/初出一覧/索引

中山元『〈他者〉からはじまる社会哲学―国家・暴力・宗教・共生をめぐって』平凡社

概要

閉ざされた自己をもつ私たちはどのように他者と一つの社会をつくることができるのか? 戦争、宗教、民族、国家、生政治、免疫……さまざまな切り口から社会哲学の難問を考察する。

目次

coming soon…

ナージャ・トロコンニコワ, 野中モモ訳『読書と暴動―プッシー・ライオットのアクティビズム入門』ソウ・スウィート・パブリッシング

概要

「どうしてプーチンのロシアは、私を刑務所送りにしたのだろう? 私は当時、無一文の22歳で、 3歳の女の子の若い母親だった。家父長制の世界に生きる女性アーティストで、ディオゲネスと行動の哲学とクィアのアイデンティティについての卒論を書いている学生だった――」(本書より)

カラフルな目出し帽。挑発的なライブパフォーマンス。FIFAワールドカップ決勝戦への乱入。結成時から現在に至るまで、常に世間の耳目を集めるロシアのフェミニスト・パンク集団、プッシー・ライオットとはいかなるグループなのか? なぜ結成されたのか? その真の目的とは? 創設メンバーのナージャ・トロコンニコワがその全貌を明らかにする。

本書『読書と暴動』は、プッシー・ライオットの設立経緯から、かれらがロシア国内でおこなった数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記である。また同時に、著者がそうした体験のなかから得た“実践的な知”を紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」でもある。

ロシアでフェミニストでクィアであることの意味とは? アクティビズムは社会でどんな役割を果たすのか? アートとアクティビズムはいかに交差するのか?

ハーバード大学やケンブリッジ大学で講演をおこなうアクティビストで、アイ・ウェイウェイやジェニー・ホルツァー、ジュディ・シカゴらの系譜に連なるアーティストのトロコンニコワが、カントからニーナ・シモン、あるいはウィトゲンシュタインからパンク・ソングの歌詞まで縦横無尽に引用しながら、そうした疑問の数々にユーモアたっぷりに答えていく。

「プーチンが最も憎んだバンドPussy Riotの創設メンバーによる、回顧録と行動指針の騒々しい融合」
――Kirkus Reviews

【本書に登場する思想家・芸術家・アクティビスト】
ペーター・スローターダイク/パゾリーニ/フーコー/ヴィヨン/マヤコフスキー/ディオゲネス/マイケル・スタイプ/プルードン/カント/チョムスキー/D.A.プリゴフ/トリスタン・ツァラ/ヒューゴ・バル/アイ・ウェイウェイ/ナオミ・クライン/ティモシー・スナイダー/マーティン・ルーサー・キング・ジュニア/アレクサンドラ・コロンタイ/オレグ・クリーク/カジミール・マレーヴィチ/マクルーゼ/マルクス/ディアギレフ/ドゥボール/ゴダール/ブレヒト/バルト/ヴォルフガング・シュトレーク/スティグリッツ/ソウル・アリンスキー/エーリッヒ・フロム/ソルジェニーツィン/ジョージ・オーウェル/ハワード・ジン/ドストエ…

目次
  • 文化労働者としてのアーティスト――日本版のためのまえがき
  • イントロダクション 
  • ルール1:海賊になれ 
  • ルール2:ドゥ・イット・ユアセルフ
  • ルール3:喜びを取り戻せ 
  • ルール4:政府をびびらせろ 
  • ルール5:アート罪を犯せ
  • ルール6:権力の濫用を見逃すな
  • ルール7:簡単に諦めるな。抵抗せよ。団結せよ。
  • ルール8:刑務所からの脱出
  • ルール9:オルタナティヴを創造せよ 
  • ルール10:ビー・ア・(ウー)マン
  • 最終声明:希望は絶望から生まれる
  • この本に寄せて キム・ゴードン
  • この本に寄せて オリヴィア・ワイルド
  • 解説 清水知子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授)
  • あるプッシー・ライオットの推薦図書リスト

打越綾子『新版 日本の動物政策』ナカニシヤ出版

ナカニシヤ出版
概要

動物への配慮ある社会を実現するために

人と動物の関係をめぐる様々な政策、法律、制度とその運用についてトータルに解説する決定版。動物を愛する全ての人々のための一冊。最新の動向をふまえた改訂新版。

目次
  • 序章
  • 第1章 愛玩動物
    1 野生動物保護管理に関わる法制度
    2 野生動物保護管理に関わる専門知
    3 専門知と地域社会
    4 絶滅危惧種としてのツシマヤマネコ保全
    5 軽井沢町における合意形成・協働活動
  • 第2章 野生動物
    1 野生動物保護管理に関わる法制度
    2 野生動物保護管理に関わる専門知
    3 専門知と地域社会
    4 絶滅危惧種としてのツシマヤマネコ保全
    5 軽井沢町における合意形成・協働活動
  • 第3章 動物園動物
    1 動物園に関わる国内の法制度
    2 動物園の努力と議論の深化
    3 小諸市動物園の取り組み
  • 第4章 実験動物
    1 動物実験に関わる構造
    2 動物実験に関する議論・評価
    3 動物実験の適正化と動物福祉向上に向けた取り組み
  • 第5章 畜産動物
    1 動物の生産・飼育に関わる論点
    2 衛生管理・食肉検査に関わる論点
    3 産業(経営・貿易・流通・消費)に関わる論点
  • 終章
  • 参考文献・参考資料/謝辞/索引

浜田明範『感染症の医療人類学―ウイルスと人間の統治について』青土社

概要

感染症対策、治療、ケアとは何か。
国家や製薬会社、市民がともに働きかける現実を描写し、また人間そのもののあり方をとらえ直す。「存在論的転回」以降の人類学を踏まえ、人文学と自然科学を架橋する画期の書。

目次
  • はじめに 
  • 第1部 パラ医療批判の人類学に向けて
    第1章 感染症と人類学 
    第2章 干渉を描くこと――環境改編としての政策・適応・書き物 
    第3章 化学的環境のリズム――薬剤を時空間に配置することについて 
  • 第2部 このパンデミックを生きる
    第2部のための端書 
    第4章 患者の責任とペイシャンティズム 
    第5章 感染者数とは何か――COVID-19 の実行と患者たちの生成 
    第6章 医薬化する希望――不在のワクチンが見えづらくするものについて 
    第7章 ウィズコロナの始まりと終わり――パンデミックにおける身体、統治、速度 
    第8章 テレストリアルたちのパンデミック 
    終 章 テレストリアル的介入の行方 
  • おわりに パラコロナを生きる/あとがき/参照文献一覧/索引

山竹伸二『無意識の正体―「自分」とは何か「自由」とは何か』河出書房新社

概要

人間の行動や思考の多くは無意識的なものである。そのメカニズムを解明しようとする研究も少なくないが、そもそも無意識は私たちの生にとってどんな意味を持つのか、その本質を探究する。

目次

coming soon…

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