新刊紹介

新刊紹介_20230523

 
新刊紹介

アシュトン・アップルホワイト『エイジズムを乗り越える―自分と人を年齢で差別しないために』ころから

概要

「高齢者は集団自決すればいい」のか?
国連「Healthy Ageing 50」の一人に選ばれたアシュトン・アップルホワイトが「年齢」による思い込みや偏見がフェイクであることを明かす!
文化に根ざした偏見にどう抗うのか「アクション」を示す!
そうして、エイジズムを乗り越えていくための一冊。
高齢化が「問題」として語られるのは、根っこにエイジズム=年齢差別があるからだ!

目次
  • 本書をめぐる著者とのQ&A
  • 序章
  • 第1章 エイジズムとは何
  • 第2章 アイデンティティー 年齢と自我
  • 第3章 脳、記憶を忘れること
  • 第4章 からだ 若さでなく健康を
  • 第5章 セックスと情愛 賞味期限なし
  • 第6章 職場 まだ途中
  • 第7章 自立の罠 長寿はチームスポーツ
  • 第8章 晩年 雄牛が違って見える
  • 第9章 年齢占拠! エイジズムを超えて
  • 訳者あとがき

渡邉悟史, 芦田裕介, 北島義和ほか『オルタナティヴ地域社会学入門―「不気味なもの」から地域活性化を問いなおす』ナカニシヤ出版

概要

「不気味なもの」を補助線に地域活性化の枠組みを問いなおし、まごつきながら農村・地域社会のリアルに迫る新たな地域社会学の入門書

目次
  • まえがき
  • 序章 農村における住みづらさとは:地域活性化を問いなおす(芦田裕介・北島義和)
    1 農村をめぐる状況
    2 課題解決志向に対する違和感
    3 地域活性化フレームとその問題点
    4 不気味なものから考える農村
  • 第一章 ヤマビル:コントロールできない生き物と出会う(渡邉悟史)
    1 ヤマビルがやってきた
    2 なぜヤマビルがやってきたのか
    3 講演会にて:ファーストコンタクト
    4 防護柵の後(ろ)で
    5 駆除の現場
    6 少し、たまに、世界が重なる、世界を重ねる
  • 第二章 空き家:地域社会の問題を顕在化させるモノと向き合う(芦田裕介)
    1 空き家との遭遇
    2 空き家を利活用する動き
    3 地域住民にとっての「空き家問題」
    4 空き家と向き合う実践
    5 現代の農村に住まうこと
  • 第三章 観光・レクリエーション利用者:「招かれざる客」はいかに生まれてくるか(北島義和)
    1 はじめに:ある湖の風景から
    2 観光・レクリエーションと農村:活性化の切り札?
    3 観光・レクリエーションをめぐる軋轢:北海道の事例から
    4 観光・レクリエーションをめぐる経験:屈斜路湖周辺の事例から
    5 おわりに:「うまいやり方」を越えて
  • 第四章 移住者:パッケージ化される農村移住(佐藤真弓)
    1 はじめに:ある移住者の経験
    2 農村移住のパッケージ化とは?
    3 パッケージ化の方針:「あるべき農村移住」とは?
    4 パッケージ化の諸次元:「あるべき農村移住」はどのように進められているのか?
    5 パッケージ化のメリット・デメリット
    6 「あるべき農村移住」の実態:期待される役割とそれへの対応
    7 おわりに:「あるべき農村移住」の行方
  • 第五章 不気味なもの:ホームに生きる人々の二重性の経験(渡邉悟史・北島義和・芦田裕介・金子祥之・佐藤真弓)
    1 はじめに
    2 不気味なものの増殖
    3 不気味なものと故郷喪失
    4 不気味なものの社会科学へ
    5 ホームの集成と不気味なもの
  • 終章 まごつきながら反芻すること:地域活性化ではなく地域社会を考えるために(渡邉悟史)
  • 本書をお使いの先生方へ
  • あとがき
  • 人名索引
  • 事項索引

嶺秀樹『絶対無の思索へ―コンテクストの中の西田・田辺哲学』法政大学出版局

概要

西洋哲学の伝統のみならず、当時最新の現象学の潮流とも対峙し、それらとは異なる論理で独自に思索した西田幾多郎と田辺元。絶対無、直観や経験、場所や時間といった主題群をめぐって二人の哲学者は何を共有し、どうすれ違ったのか。フッサール、ハイデガー、九鬼との関係も視野に収め、争点となった哲学的問題の数々を、固有の文脈のなかで丁寧に解きほぐす。全10章・補論3章の最新読解。

目次
  • はじめに
  • 第一部 コンテクストの中の西田哲学
  • 第一章 西田の場所の思想における叡智的なるもの 
  • 第二章 西田哲学とフッサールの現象学 
  • 第三章 西田とショーペンハウアー──美のイデアをめぐって 
  • 第四章 行為的直観とムーセの時空構造──西田の無の自覚的限定の立場から 
  • 第五章 永遠の今──西田幾多郎と九鬼周造 
  • 補論一 九鬼と形而上学の問題 
  • 第六章 存在の悲哀と無の慈しみ──自覚的経験から見た根本気分 
  • 第七章 ハイデガーと日本の哲学──西田のハイデガー批判 
  • 補論二 ハイデガーと東アジアの対話 
  • 補論三 経験の直接性と言語 
  • 第二部 コンテクストの中の田辺哲学──田辺の基本思想の展開
  • 第八章 初期田辺の反省理論──西田批判の背景にあるもの 
  • 第九章 中期田辺の根本洞察──絶対弁証法の成立 
  • 第一〇章 田辺の後期哲学における歴史主義 
  • おわりに
  • 索 引

小坂井敏晶『矛盾と創造―自らの問いを解くための方法論』祥伝社

概要

考えるヒントを求める人へ

人間と社会を深い洞察で解き明かしてきた著者が、パリ第八大学でフランスの学生に説いてきた知のあり方、方法論。

創造を称揚する貧困な常識を捨て、もう一度考え直そう。
なぜ学ぶのか、なぜ知りたいのか。

目次
  • 第一章 創造性という偽問題
  • 第二章 矛盾を解く型 同一性と変化をめぐって
  • 第三章 主体虚構論の舞台裏
  • 第四章 モスコヴィッシの贈り物
  • 第五章 躊躇と覚醒
  • 第六章 社会は制御可能か
  • 終章 残された仕事

ジェームズ・エルキンス『なぜ美術は教えることができないのか―美術を学ぶ人のためのハンドブック』三元社

著:ジェームズ・エルキンス, 翻訳:小野康男, 翻訳:田畑理恵
概要

いかにして、美術を教えることができるのか。
「美術を教える」とは何か、何をいかにして教え、学んでいるのか、教師も学生も、ほとんど分かっていない。講評で使われる批評の言葉を手がかりに、美術の授業で「起こっていること」を記述することで、私たちが普遍と信じ、行い続けていることの意味を問い直す。
――「美術を教える」ことについて、誰も口にすることのなかった数々の事実を提示する。

目次
  • 序論
  • 第1章 歴史
  • 第2章 会話
  • 第3章 理論
  • 第4章 批評
  • 第5章 提案
  • 結論
  • 訳者あとがきと解説
  • 索引

山竹伸二『心理療法の精神史』創元社

概要

「心が治るとは、どういうことか」

心理療法(サイコセラピー)の全史を追跡しながら、そこに共通する人間性と治癒の本質を「自由と承認の葛藤」の中に見る。

古代の呪術的治療から、精神分析、認知行動療法、ナラティヴ・セラピー、オープンダイアローグなど最前線の心理療法までを俯瞰し、背景にある哲学・思想との関連から鮮やかに描き出す〈心の治療が持つ意味を再考する心理療法史〉。

[図版多数]

目次
  • はじめに
  • 第1部 心理療法史の全体像
  • 第1章  古代から近代までの心理療法史
  • 第2章 精神医学と臨床心理学の歴史
  • 第2部 現代心理療法の多様な展開
  • 第3章 無意識へのアプローチ――精神分析の歴史
  • 第4章 フロイト以後の精神分析
  • 第5章 実証科学からの挑戦――認知行動療法の展開
  • 第6章 実存を問う心理療法
  • 第7章 心理療法の最前線――家族療法から構成主義のセラピーへ
  • 第3部 心理療法はどこへ向かうのか?
  • 第8章 理論対立から統合へ
  • 第9章 心理療法とは何か?
  • 第10章 現代社会と心理療法の未来
  • おわりに
  • 人名索引

尹雄大『聞くこと、話すこと。―人が本当のことを口にするとき』大和書房

概要

あなたと私の「違い」を丁寧に話したい。
「わかりやすく話そう」を突き詰めた結果、僕たちの会話はただの情報のやりとりに陥っていないだろうか。
上間陽子氏に、坂口恭平氏に、濱口竜介氏に、人が本当のことを口にする瞬間について聞いて考えたこと。

目次
  • 1 章  身体とその人の声
  • 2 章  まだ語られていない声を聞くということ
  • 3 章  あなたがあなたとして存在することを認める
  • 4 章  死を願う言葉を身体で聞く
  • 5 章  私とあなたのあいだにある言葉