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著者 | 小手川正二郎 |
発行 | トランスビュー |
発売日 | 2020/03/25 |
性差、人種、親子、難民、動物の命について――
いま、世界には社会の分断を生む問題が山積している。
こうした問題についての議論は、往々にして、それぞれの立場から非難の応酬になりがちだ。
では、意見の異なる人と対話し、世の中をより良くしていくためには、何が必要なのだろうか?
著者は、一人ひとりが「自分の頭で考える」こと、そして「かわるまでわかる」ことが大切だと説く。
網の目のように複雑にからまった現実を、どのように解きほぐすことができるのか。
それぞれの問題について、丁寧な思考の歩みを示していく。
哲学は、偉大な学者の言葉や思想をありがたがることではなく、現実に向き合うことから始まる。
本当の意味で考えるための入門となる一冊。
- 序章 「自分で考える」とはどういうことか?
- 第1章 性差――なぜ、哲学にフェミニズムが必要なのか?
男女平等についての「建前」と「本音」
1 差別とは何か?
2 私たちは、どのように男女を見分けているのか
3 男性とフェミニズム - 第2章 人種――黒人の肌は本当に「黒い」のか?
日本人と人種差別
1 人種と人種差別
2 人種という経験
3 「黄色人種」としての日本人 - 第3章 親子――何が「子どものため」になるのか?
親子関係を哲学する
1 親にとって子どもとは?
2 子どもにとって親とは? - 第4章 難民――受け入れるべき責任を負うのは誰か?
「受け入れない」に限りなく近い日本
1 難民問題とは何か?
2 難民受け入れの根拠をめぐる議論
3 難民に対する責任? - 第5章 動物の命――肉を食べることと動物に配慮することは両立しうるのか?
肉食反対派と擁護派の埋めがたい溝
1 人間は「種差別」主義者である――シンガーによる肉食批判
2 人間と動物は違うということの意味――ダイアモンドによるシンガー批判
3 人間の命と動物の命
この記事では『現実を解きほぐすための哲学』の参考文献・関連書籍についてご紹介します。
序章「自分で考える」とはどういうことか?
石原孝二編(2013)『当事者研究の研究』医学書院
著:綾屋紗月, 著:河野哲也, 著:向谷地生良, 著:Necco当事者研究会, 著:石原孝二, 著:池田喬, 著:熊谷晋一郎, 編集:石原 孝二
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吉川孝・横地徳広・池田喬編著(2019)『映画で考える生命環境倫理学』勁草書房
著:吉川 孝, 著:横地 徳広, 著:池田 喬, その他:信太 光郎, その他:瀧 将之, その他:渡名喜 庸哲, その他:山田 圭一, その他:佐藤 香織
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植村玄輝・八重樫徹・吉川孝編著(2017)『ワードマップ現象学 ー経験から始める哲学入門』新曜社
小川たまか(2018)『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』タバブックス
スタンリー・カヴェル(2019)『道徳的完成主義: エマソン・クリプキ・ロールズ』春秋社
ルート・クリューガー(1997)『生きつづける』みすず書房
コーラ・ダイアモンド(2010)『“動物のいのち”と哲学』春秋社
著:ダイアモンド,コーラ, 著:マクダウェル,ジョン, 著:ハッキング,イアン, 著:ウルフ,ケアリー, 著:カヴェル,スタンリー, 翻訳:中川雄一
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