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著者 | 磯野真穂 |
発行 | 集英社 |
発売日 | 2022/01/17 |
生の手ざわりを求めて――。
“正しさ”は病いを治せるか?
“自分らしさ”はあなたを救うか?
不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。
「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。
現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。
病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。
現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。
- 第一部 リスクの手ざわり
第1章 情報とリスク
第2章 正しく想像せよ
第3章 ゴンドラ猫は恐怖する
第4章 新型コロナウイルスの実感 - 第二部 危機に陥る人々・その救済の物語
第5章 狩猟採集民という救済
第6章 「自分らしさ」があなたを救う
第7章 人とは何か - 終章 生成される時間
この記事では『他者と生きる―リスク・病・死をめぐる人類学』の参考文献・関連書籍についてご紹介します。
序論
マックス・ウェーバー(1980)『職業としての学問』岩波書店
ペトル・シュクラバーネク(2020)『健康禍 人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭』生活の医療
名郷直樹(2014)『「健康第一」は間違っている』筑摩書房
大脇幸志郎(2020)『「健康」から生活をまもる 最新医学と12の迷信』生活の医療
ジョナサン・M・メツル, アンナ・カークランド編(2015)『不健康は悪なのか―健康をモラル化する世界』みすず書房
編集:ジョナサン・M・メツル, 編集:アンナ・カークランド, 翻訳:細澤 仁, 翻訳:大塚 紳一郎, 翻訳:増尾 徳行, 翻訳:宮畑 麻衣
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第1章 情報とリスク
宮野真生子(2019)『出逢いのあわい』堀之内出版
ピエール・クラストル(2007)『グアヤキ年代記―遊動狩人アチェの世界』現代企画室
原ひろ子(2023)『子どもの文化人類学』筑摩書房
ウルリヒ・ベック(1998)『危険社会: 新しい近代への道』法政大学出版局
東 賢太朗, 市野澤潤平, 木村周平編(2014)『リスクの人類学 不確実な世界を生きる』世界思想社教学社
磯野真穂(2017)『医療者が語る答えなき世界: 「いのちの守り人」の人類学』筑摩書房
磯野真穂(2015)『なぜふつうに食べられないのか: 拒食と過食の文化人類学』春秋社
クリフォード・ギアーツ(2014)『ローカル・ノレッジ 解釈人類学論集』岩波書店
アンソニー・ギデンズ(2021)『モダニティと自己アイデンティティ―後期近代における自己と社会』筑摩書房
著:アンソニー・ギデンズ, 翻訳:秋吉 美都, 翻訳:安藤 太郎, 翻訳:筒井 淳也
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