船木亨『いかにして個となるべきか?―群衆・身体・倫理』勁草書房
われわれは群れである――群れの中で生きるべきか? 個となって自身の感性を貫くべきか? その条件と思考の実践を、根底から問い直す。
倫理規範には「自由な個人」が前提される。だがそれ以前に、いかにしてひとは個人となり、なぜ規範に従うべきなのか。群衆のひとりでありながら、個となることの倫理的意義とは何か。個体とは何か、身体とは何か、欲望とは何か、思考とは何か。前著『いかにして思考するべきか?』をふまえ、「群れの分子」としての倫理を論じる。
- はじめに
- 第一章 群れなす人間
1 自由の価値
2 進歩の終焉
3 自由からの逃走
4 群れについて
5 群れ社会 - 第二章 群れ社会の倫理
1 「おいしい」とは?
2 感覚と自我
3 「よい」とは?
4 マナーの変遷
5 マナーとルール - 第三章 正義と悪
1 正義とは何か
2 いかにしてみずからに個を作るか - 第四章 個体と個人
1 個人という概念
2 個体の形而上学
3 知覚される個体 - 第五章 身体と精神
1 眼と手
2 奥行と間身体性
3 「私」と身体
4 頭と体 - 第六章 欲望
1 欲望は理性の影
2 意志は存在しない
3 間身体性の欲望
4 性衝動と性欲
5 歳をとる - 第七章 思考
1 出来事
2 思考する
3 確率論的思考
4 感性的総合 - エピローグ
- あとがき
- 人名索引
東浩紀『観光客の哲学 増補版』ゲンロン
第71回毎日出版文化賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2018でも第2位にランクインした著者の代表作『ゲンロン0 観光客の哲学』に、新章2章・2万字を追加し増補版として刊行。「ゆるさ」がつくる新たな連帯とはなにか。姉妹編『訂正可能性の哲学』と連続刊行!
- はじめに
初版への序文
中国語繁体字版への序文
英語版への序文 - 第1部 観光客の哲学
第1章 観光
第2章 二次創作
第3章 政治とその外部
第4章 二層構造
第5章 郵便的マルチチュードへ - 第2部 家族の哲学(導入)
第6章 家族
第7章 不気味なもの
第8章 ドストエフスキーの最後の主体 - 補遺
第9章 触視的平面について
第10章 郵便的不安について - 文献一覧
- 索引
トマ・ピケティほか『差別と資本主義―レイシズム・キャンセルカルチャー・ジェンダー不平等』明石書店

人種やジェンダーをめぐる差別・不平等は、グローバル資本主義の構造と深くかかわって、全世界的な社会分断を生んでいる。差別問題に正面から切り込んだトマ・ピケティの論考をはじめ、国際的な識者たちが問題の深淵と解決への道筋を語る、最先端の論集。
- 訳者序文[尾上修悟]
- 第一章 人種差別の測定と差別の解消[トマ・ピケティ]
- 第二章 キャンセルカルチャー――誰が何をキャンセルするのか[ロール・ミュラ]
- 第三章 ゼムールの言語[セシル・アルデュイ]
- 第四章 資本の野蛮化[リュディヴィーヌ・バンティニ]
- 訳者解説[尾上修悟]
エリック・カウフマン『WHITESHIFT―白人がマイノリティになる日』亜紀書房
白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。
英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。
──その時、世界はどう変わるのか?
〈大転換する世界情勢〉欧米で大きな話題を呼んだ必読書!
地球規模での移民の加速化により、白人は各国で少数派となる。
白人のアイデンティティが揺らぐなかで台頭するポピュリズム、ナショナリズム、多文化主義に、我々はどう向き合えば良いのか。難民問題への対処に正解はあるのか。
人口学、社会学、政治学、統計学、心理学 などの知見を動員し、精密なデータをもとに 米・英・欧州・カナダの状況を分析。全ての人が希望を持てるような未来像を模索する。
- 第一章………白人がマイノリティになる世界──ホワイトシフト
〈 第一部・闘争 〉 - 第二章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換
- 第三章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム
- 第四章………英国― 英国保護区の崩壊
- 第五章………欧州における右派ポピュリズムの台頭
- 第六章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム
〈 第二部・抑圧 〉 - 第七章………左派モダニズム──一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで
- 第八章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い
〈 第三部・逃亡 〉 - 第九章………避難──白人マジョリティの地理的・社会的退却
〈 第四部・参加 〉 - 第十章………サラダボウルか坩堝か? ──欧米における異人種間結婚
- 第十一章……白人マジョリティの未来
- 第十二章……「非混血の」白人は絶滅するのか?
- 第十三章……ホワイトシフトのナビゲーション──包摂的な国の包摂的なマジョリティへ
- 謝辞
- 解説──西山隆行
- 参考文献および原注
今井登志喜『歴史学研究法』筑摩書房
「歴史学とは何か」について「古典的歴史学方法論」の論点を的確にまとめる。方法の実践例として、「塩尻峠の合戦」を取り上げる。解説 松沢裕作
「歴史学とはどのような学問か」「歴史学はいかにして正しい結論を導き出せるのか」という問題は、現在でも常に問い直され続けている。本書では、19世紀における歴史学の進展を踏まえ、歴史学の方法論にはじまって、諸学との連携の在り方、史料批判についてなど、簡潔にして要点をついた紹介・指摘を行う。提示される方法論の実例としては、塩尻峠の合戦(天文17年)を取り上げ、各種資料を比較して事実を確定するプロセスを具体的に示した。また、本書の史学史的背景について周到な解説を付す。古典的歴史学方法論の貴重な入門書。
- 序
- 一 序説─歴史学の方法論
- 二 歴史学を補助する学科
- 三 史料学
- 四 史料批判
- 1 外的批判
真純性の批判/来歴批判/本原性の批判 - 2 内的批判
可信性の批判/史料の価値の差別 - 五 綜合
史料の解釈/史実の決定/歴史的聯関の構成/歴史的意義の把握 - 六 方法的作業の一例─天文年間塩尻峠の合戦
題目/史料/真純性の批判/来歴批判/本原性の批判/可信性の批判/解釈/史実の決定/歴史的聯関の構成/歴史的意義の把握/附記/補正 - 解説 「転回以前」の歴史学?─古典的歴史学方法論・入門 松沢裕作
ジュディス・シュクラー『不正義とは何か』岩波書店
被害者の視点を無視する政治に価値はない。感情や主観による声を切り捨ててきた従来の政治理論を批判し、名もなき市民による「不正義の感覚」こそが民主主義を成立させる理由を明快に説き起こす。「恐怖のリベラリズム」で知られる現代政治哲学の巨人シュクラーによる、もう一つの「正義論」。
coming soon…
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